不動産買取の相場まとめ!不動産買取に向くケースも解説

不動産買取の相場まとめ!不動産買取に向くケースも解説

不動産買取は市場相場より安いと聞くけど、相場はどの位?

そもそも市場相場と買取相場はどうちがうの?

不動産買取はメジャーな不動産売却方法ではないため、買取価格がどう決められるのかご存じの方は多くはないようです。

そこで本記事では、

  • 不動産買取業者は安く買い叩いているのか?
  • 不動産買取価格と再販価格の差額は儲け?
  • 【最新版2023年!全国版】不動産買取価格相場情報
  • 不動産買取相場の調査方法
  • より高値で買取をしてもらうには?

について解説します。

不動産買取はっているか知っていないかで、買取金額に差がでてしまう不動産取引です。

この記事を読んで、より有利な不動産買取を進めていきましょう。

目次

不動産買取と仲介

不動産買取と仲介

不動産の売却方法には一般的な仲介による売却と、今回ご紹介する買取による売却があります。

仲介では買主は主に個人であることが多く、買取では不動産買取業者が買主となります。

不動産買取と仲介の違い

不動産買取業者は安く買い叩いている?

不動産買取業者は安く買い叩いている?

不動産買取は一般的な売却より、売却価格が安くなると言われています。

一般的な売却と比べてどの程度安くなってしまうのでしょうか?そして、それは買取業者が悪徳で買い叩いているからなのでしょうか。

不動産買取価格の相場は市場価格の6~8割

不動産買取の買取額(売却価格)は、市場価格(相場価格)の6~8割程度になることが一般的です。

市場価格が2,000万円の物件であれば、買取だと1,200~1,600万円程度になる可能性が高いとです。

こう聞くと「2~4割も利益があるのか、買取業者は荒稼ぎするな」なんて思う方もいるかもしれませんね。

不動産の市場価格(相場価格)とは?

不動産買取の買取額が市場価格の6~8割程度とお伝えしましたが、基準となる市場価格とはどのような価格でしょう。

不動産の市場価格(相場価格)とは、市場で実際に売買されている価格のことをさします。実際の取引価格とは、一般的な仲介の方法での成約価格と思って頂ければよいでしょう。

市場価格(相場価格)を自分で調べる方法は後ほど解説します。

不動産買取額と再販価格の差額が儲け?

話を戻しましょう。

不動産買取業者は買い取った物件を自社で運用する場合もありますが、多くは再販をすることで利益を出します。

この再販価格はおおよそ市場価格程度で設定されると考えれば、再販価格と買取額の差額、つまり市場価格の2~4割がが買取業者の利益になるように思えます。

結論、再販価格と買取額の差額が買取業者の利益になるわけではありません。

不動産買取の価格のイメージ

不動産買取業者は、買い取った物件をリフォームを行い再販します。

このリフォーム費用以外にも、不動産を買い取り再販するには諸費用がかかります。

例えば、登記費用や不動産取得税、ローンで購入する場合はその金利などが諸費用です。

つまり下記の様な計算になります。

買取業者の利益=再販価格ー(買取費用+リフォーム費用等の諸費用)

このように買取額と再販価格の差額が、そのまま買取業者の利益になるわけではないのです。

物件次第で買取価格は変わる

一般的な不動産買取額と再販価格の関係をお伝えしましたが、中にはリフォームが不要な築浅の物件、リフォーム済みの物件を買い取ることもあります。

その場合はリフォームをせずに、ハウスクリーニングのみで再販が可能です。この場合は諸費用部分が減りますので市場価格の8割~9割程度で買取されることが一般的です。

また需要が少ないエリアの物件を買い取る場合は売れ残りのリスクを考慮して、買取額は低めに抑えらます。

逆に需要の多い都心などの物件では、他社に売却されてしまわぬように自社の利益を調整し、買取額をあげることもあるのです。

このように、買取価格は市場価格の6~8割といってもあくまで一般的な相場の話であり、個々の不動産の要因によって買取価格は変わってくるものなのです。

買取業者の利益率は高すぎる?

不動産ごとに買取額はかわるものですが、買取業者の利益率がどの程度なのかは気になりますよね。

買取業者ごとに経営方針がかわるため一概にはいえませが一般的には次のような利益率になります。

  • リフォーム後に再販する場合:再販価格の15~20%程度
  • そのまま転売する場合:再販価格の10~15%

ただし、これもあくまで利益率の相場です。

例えば、需要が少ないエリアの物件は売れ残りのリスクヘッジのために利益率を25%に設定する場合もあれば、買取業者の経営方針や、市場の売り物件の流通量により、リフォーム後の再販でも利益率を10%程度に設定することもあるのです。

買取業者が買い叩いているわけでもない

買取価格と再販価格の関係、買取業者の利益率について解説しました。

不動産買取業者は、仲介業者とは異なり、物件を保有します。これは売れ残りのリスクを抱えるものです。

物件を保有するという高リスクの事業形態を考えれば、決して利益率が高すぎるわけではないと思えますね。

【2023年4月最新相場】戸建・マンションの不動産買取相場

戸建・マンションの不動産買取相場

2023年4月の市場価格を元に買取価格の相場を算出してみます。

ここでは市場価格相場の70%を買取価格として計算しました。戸建・マンションの全ての都道府県のデータになります。

【2023年全国戸建の不動産買取相場】

スクロールできます
都道府県買取参考相場市場価格相場土地面積建物面積平均築年数
北海道1,322万円1,889万円281.71㎡123.10㎡30.07年
青森798万円1,140万円273.50㎡151.19㎡31.77年
岩手1,140万円1,628万円215.20㎡130.12㎡28.10年
宮城1,602万円2,288万円307.08㎡117.45㎡23.38年
秋田870万円1,243万円270.98㎡126.50㎡34.47年
山形1,096万円1,565万円326.73㎡129.32㎡29.71年
福島819万円1,170万円325.92㎡113.41㎡31.03年
茨城1,297万円1,853万円258.90㎡116.76㎡24.11年
栃木1,150万円1,643万円484.37㎡132.37㎡29.52年
群馬1,216万円1,737万円486.85㎡125.88㎡25.45年
埼玉1,757万円2,510万円148.04㎡102.25㎡21.39年
千葉1,766万円2,523万円200.14㎡111.10㎡23.58年
東京3,686万円5,265万円105.76㎡100.28㎡20.69年
神奈川2,947万円4,210万円146.30㎡106.02㎡21.56年
新潟1,178万円1,683万円227.51㎡118.08㎡25.61年
山梨904万円1,292万円424.15㎡102.60㎡32.85年
長野1,236万円1,766万円672.12㎡118.30㎡35.95年
富山768万円1,097万円311.43㎡142.04㎡37.98年
石川1,111万円1,587万円242.41㎡135.48㎡32.80年
福井1,284万円1,834万円265.67㎡112.85㎡27.49年
岐阜1,041万円1,487万円330.21㎡126.97㎡29.09年
静岡1,317万円1,881万円307.12㎡122.76㎡30.69年
愛知1,882万円2,689万円195.44㎡119.44㎡21.17年
三重1,240万円1,771万円288.84㎡118.12㎡26.16年
滋賀1,310万円1,872万円252.63㎡119.47㎡27.21年
京都1,531万円2,187万円121.34㎡93.09㎡33.06年
大阪1,434万円2,049万円106.06㎡93.37㎡30.75年
兵庫1,569万円2,241万円165.73㎡108.23㎡29.20年
奈良1,100万円1,571万円183.20㎡108.82㎡30.74年
和歌山1,035万円1,479万円287.49㎡115.03㎡28.74年
鳥取817万円1,167万円289.68㎡154.68㎡52.06年
島根689万円984万円295.00㎡137.63㎡43.49年
岡山946万円1,352万円331.35㎡107.38㎡37.64年
広島1,308万円1,869万円199.28㎡112.99㎡32.63年
山口766万円1,094万円320.54㎡110.21㎡37.08年
徳島851万円1,215万円257.46㎡109.28㎡35.06年
香川860万円1,229万円253.00㎡109.03㎡32.40年
愛媛1,155万円1,650万円167.24㎡99.13㎡26.58年
高知1,362万円1,945万円356.30㎡100.02㎡27.79年
福岡1,526万円2,180万円291.65㎡121.41㎡29.96年
佐賀1,688万円2,412万円310.93㎡151.09㎡14.37年
長崎964万円1,377万円244.69㎡108.05㎡35.43年
熊本1,401万円2,002万円300.01㎡113.77㎡28.67年
大分1,261万円1,802万円411.04㎡111.95㎡27.84年
宮崎967万円1,382万円395.99㎡114.65㎡33.01年
鹿児島1,092万円1,560万円304.86㎡99.12㎡27.94年
沖縄2,629万円3,755万円198.65㎡94.68㎡28.56年

【2023年全国マンションの不動産買取相場】

買取参考相場は市場価格相場の70%で計算

スクロールできます
都道府県買取参考相場市場価格相場買取平米単価築年数平均
北海道1,460万円2,085万円19.90万円27.52年
青森1,398万円1,997万円21.32万円20.33年
岩手1,239万円1,770万円29.2万円23.71年
宮城1,604万円2,291万円14.52万円25.26年
秋田(3月)914万円1,307万円14.52万円24.08年
山形821万円1,173万円11.60万円28.50年
福島1,147万円1,638万円16.97万円21.97年
茨城1,958万円2,797万円26.60万円17.69年
栃木1,782万円1,546万円16.77万円24.96年
群馬1,467万円2,095万円20.61万円20.38年
埼玉1,926万円2,752万円28.07万円26.92年
千葉1,861万円2,659万円25.83万円26.97年
東京3,979万円5,684万円66.25万円22.14年
神奈川2,504万円3,577万円37.88万円25.29年
新潟1,381万円1,791万円18.59万円24.97年
山梨1,226万円1,751万円19.25万円23.92年
長野2,134万円3,048万円28.14万円19.87年
富山1,464万円2,092万円19.69万円20.30年
石川1,294万円1,848万円22.72万円24.95年
福井1,819万円2,598万円21.83万円13.75年
岐阜1,362万円1,946万円18.43万円21.44年
静岡1,149万円1,641万円17.11万円30.33年
愛知1,642万円2,346万円21.99万円24.49年
三重1,377万円1,967万円17.28万円21.96年
滋賀1,691万円2,416万円23.35万円21.07年
京都1,917万円2,738万円31.09万円30.07年
大阪2,059万円2,942万円30.99万円26.37年
兵庫1,745万円2,493万円23.99万円27.72年
奈良1,086万円1,552万円14.83万円28.74年
和歌山855万円1,221万円12.61万円23.97年
鳥取1,068万円1,526万円14.91万円21.98年
島根1,591万円2,273万円19.56万円15.94年
岡山1,640万円2,343万円21.97万円21.15年
広島1,605万円2,293万円22.42万円26.44年
山口991万円1,416万円13.55万円27.00年
徳島1,759万円2,513万円20.7万円22.22年
香川1,108万円1,583万円14.03万円23.30年
愛媛1,133万円1,618万円16.53万円26.40年
高知1,255万円1,793万円17.59万円22.87年
福岡1,439万円2,055万円23.65万円25.57年
佐賀1,171万円1,673万円14.37万円24.22年
長崎1,471万円2,101万円21.18万円19.93年
熊本1,314万円1,877万円19.32万円22.32年
大分1,698万円2,425万円20.39万円22.52年
宮崎1,336万円1,909万円17.26万円23.31年
鹿児島1,649万円2,356万円23.04万円23.39年
沖縄2,090万円2,986万円30.97万円19.62年

※秋田県は4月のデータなしのため3月分で算出

やはり東京、神奈川、埼玉、大阪、京都、福岡などは、市場相場も高い傾向がありますね。また沖縄県も戸建、マンション共に相場は高いです。

ただし、こちらの相場は築浅物件~築古物件まで様々な取引の平均価格を算出していることに注意しましょう。

買取価格と建物築年数

買取価格と建物築年数

続いて、不動産の築年数による資産価値の変化について確認していきましょう。

下記のグラフは新築時を100とし、経過年数による資産価値の減少を表したものです。

買取価格と建物築年数

出典:中古戸建住宅の価格査定の例|国土交通省

築10年以内の木造戸建の資産価値

木造戸建の場合、新築時から築15年までの間に急激に価値が落ちているのがわかります。

建物の資産価値は、10年経過すると新築時の50%程度になります。

例外として、大手ハウスメーカにより建築された建物は下落幅が少なくなるケースもあります。

築11~20年以内の木造戸建の資産価値

築15年までは急激なペースで資産価値は下落しますが、築15年あたりから下落率は穏やかになります。

一般的には、築15年の木造戸建は新築時の20%まで価値が下落するといわれています。

築21~築30年以内の木造戸建の資産価値

築20年を超えた木造戸建は、建物の資産価値はほぼないものとして扱われます。

築30年を過ぎるような物件は、「古屋付き土地」として、土地の価格のみで取引されることが一般的です。

マンションは緩やかな減少

グラフでも分かるように、マンションの資産価値の変化は、木造戸建に比べ急激に資産が下落することもなく、穏やかな減少を続けます。

築10年以内のマンションの資産価値

新築マンションは人が住んだ時点で中古マンションとなります。

この時点で中古物件となるため新築価格の90%程度の資産価値となります。いわゆる、新築プレミアの部分がなくなるイメージですね。

マンションの場合、新築~10年までの期間は、資産価値の下落幅がもっとも大きくなる期間です。築10年時点での資産価値は、新築時の約75%程度になります。

築11~20年のマンションの資産価値

築11年から築20年までの資産価値の下落率は緩やかに進みます。

築浅の物件と比較すると約30~40%程度下落します。

築21~30年のマンションの資産価値

築21年~25年までは下落幅が大きくなっており、築26~30年の期間の下落幅は緩やかになります。

築浅物件にくらべ約40%の資産価値となることが一般的です。

不動産買取相場を調べる方法

不動産買取相場を調べる方法

不動産買取の相場価格を調べることは、各買取業者からだされる買取査定額か適正な価格か見極めるためにも重要です。

ここからは、不動産買取価格相場は、次のステップで調べることができます。

ステップ1:後に解説するサイトで類似不動産の市場価格(仲介での成約価格)を調べる

ステップ2:ステップ1で調べた市場価格の60%・80%の価格を調べる

まずは市場価格を次のサイトで調べましょう。

レインズインフォメーションで調べる

国土交通大臣指定の不動産流通機構運営REINS MARKET INFORMATION(レインズマーケットインフォメーション)を利用し成約価格を調べます。

まずはレインズマーケットインフォメーションにアクセスします。

レインズマーケットインフォメーション

出典:REINS Market Information|不動産流通標準情報システム

不動産業者は、レインズというネットワークシステムを使い物件情報を共有しています。

取引が成約すれば、不動産業者はレインズにその報告をしなくてはなりません。

この報告をもとにし、一般の方でも成約価格等を確認できるようにしたのがレインズマーケットインフォメーションです。

取引価格は十万円単位を四捨五入して、表示されています。

レインズマーケットインフォメーション

出典:REINS Market Information|不動産流通標準情報システム

物件の検索条件はかなり細かく指定できるので、類似不動産の成約事例をみつけやすいでしょう。

土地総合情報システムで調べる

レインズマーケットインフォメーション

出典:土地総合情報システム|国土交通省

国土交通省が運営する土地総合情報システムは、アンケートによって収集した全国345万件の取引価格の情報を提供しているサイトです。

土地総合情報システムサイト内の「不動産取引価格情報検索」から実際の成約価格を探せます。

成約価格は、上位3桁目を四捨五入し、上位2桁が表示されています。

HOME’Sやat homeは参考として

不動産ポータルサイトであるHOME’Sやat homeなどで市場価格を調べることもできます。

HOME'S公式サイト

出典:HOME’S公式サイト

at home公式サイト

出典:at home公式サイト

中古物件の物件情報ページで、類似物件の情報を検索します。

類似物件の約6割程度を買取価格の参考値として考えるのが妥当でしょう。

不動産、特に戸建に関しては接道や地形などそれぞれの個性が強いため、あくまで参考値になります。

注意点としては、HOME’Sやat homeに掲載されている物件情報の価格は、売り出し価格であり成約価格ではない点です。まだ販売中の物件なので、最終的にいくらで成約するのかはわからないものです。

最終的な成約価格で調べるには先にあげた2つのサイトを使います。

家を高値で買取してもらうためのコツ

家を高値で買取してもらうためのコツ

不動産買取では市場価格の6~8割の買取額になることをお伝えしましたが、6割と8割では実際の買取額は大きく変わってきますよね。

市場価格1,000万円の物件が6割で買取になれば600万円、8割であれば800万円です。1,000万円の物件でも200万円の差がでるわけです。

そこで、より高い割合で買取をしてもらうためのコツを紹介します。

少しの工夫と手間で買取割合があがる可能性があるのであれば、やって損はないはずです。

1社でも多くの買取業者から査定をとる

不動産買取で高い買取割合を獲得するには、とにもかくにも多くの買取業者から査定をもらうことに尽きます。

立地的に良い需要のある物件なら買取価格交渉の余地はあれど、仲介での売却が難しいような物件は、買取価格交渉の余地は少ないのが現実です。

買取価格は一定の相場はあるものの、業者によってブレがあります。なぜなら、買取業者でもエリアや不動産の種別によって得意不得意はありますし、経営方針的な事情も加味され買取査定額が算出されるためです。

ということで、より高い買取額を獲得するには、より多くの買取業者に査定を依頼することがなにより重要です。

ただし最終的に契約を決める際は、単に高値だからという理由で業者を決めると後悔することになるかもしれません。

契約前に考慮すべき注意点をこちらの記事で確認してくださいね。

一括査定と自力での業者さがしを並行する

より多くの買取業者に査定を依頼することは大切です。

しかし、一般的に不動産屋さんと呼ばれる仲介業者とくらべて、不動産買取業者の数は多くはありません。

不動産買取業者と聞いて頭に浮かびます?メジャーな買取業者と聞いても思い浮かばない方が大半ではないでしょうか。

そんな買取業者を見つけるには、通常の一括査定サイトではなく、買取査定のできる一括査定サイトを利用するのが便利です。

買取りして欲しい不動産の概要をお知らせするので、その物件を扱える買取業者だけとコンタクトがとれます。

【買取査定にが依頼できる一括査定サイト】はこちらの記事でご紹介しています。

さらに一括査定サイトに登録していない買取業者を自分で探すことも大切です。地方の不動産買取業者は、一括査定サイトに加盟されていないことも少なくありません。

自力で買取業者はGoogleで「地域名+種別(戸建orマンション)+買取」と検索してみましょう。

また私の方でも全国の不動産を対象とした買取専門の業者を探しましたので、こちらの買取業者にもコンタクトをしてみましょう。

直接買取業者とコンタクトをとる

先にも触れたように、一般的に不動産屋さんとして認識されているのは不動産仲介業者です。

買取を希望しているのに、もしあなたが最初に不動産仲介業者を尋ねてしまえば、仲介業者を通して買取業者を紹介されるパターンになるでしょう。

この場合は、たとえ買取だとしても仲介手数料がかかってしまいます

大切なことは、不動産買取業者にあなたが直接コンタクトを取ることです。

仲介手数料がかかるケースの例

なるべく早めに売却活動を始める

不動産の売却タイミングは、世の中の大きな流れをみることが大切です。

2020年4~5月に発令された緊急事態宣言後から翌年の2021年は、不動産中古住宅の市況は好況でした。この時期は不動産登記の申請件数も爆上がりで、私も独立以来の忙しかったのを覚えています。

その頃、仲介業者の営業マンや買取業者の営業マンが「売る物件がない!在庫がない」とよく口にしていました。売却物件の在庫が枯渇していたんですよね。

買いたい人がいるのに在庫がない。

そんな時は売主側が有利な取引、高い売却価格で取引がされていました。買取業者も利益率を削り、市場価格に近い買取額で買取をしていました。

しかし、2022年に入り、在庫がないという話は耳にしなくなりました。現在は在庫は回復し、今後は築古物件の在庫の増加が予想されています。

不動産価格も二極化し、需要のあるエリアの不動産はより高く、そうでない不動産は売ることが困難になっていくのです。

また不動産価格に影響を与えるのでは?と懸念されている2025年問題も目前に迫っています。

誰も住まない空き家であれば、なるべく早いタイミングで売却活動をはじめましょう。

2025年問題と不動産価格

2025年問題と不動産価格

2025年問題とは、世の中の約3人に1人が65歳以上になることで発生する問題の総称です。

超高齢化社会の到来によって、医療・介護費が増大し、それに伴って現役世代の負担が増大すること、少子高齢化による慢性的な労働力不足が懸念されています。

2025年問題は、不動産の価格にも影響を与えるとされています。

具体的には、8割の持ち家率を誇る65歳以上の相続の件数が増えることが予想されています。つまり、今以上に空き家が増えるのです。

しかも2018年時点で既に総住戸数は総世帯数を16%も上回っているのです。

そのため不動産の需要供給のバランスが崩れることによる、不動産価格の下落が懸念されているのです。

不動産買取に向かないケース

不動産買取に向かないケース

不動産買取は全ての不動産におすすめする売却方法ではありません。

不動産買取ではなく仲介での売却をおすすめするのは次のケースです。

築年数が新しい

築年数の新しい建物は、自己居住用に不動産を探す個人は築浅の不動産を好む傾向があります。

大きなリフォームをしなくてもよく、自分が住むイメージが湧きやすい点から好まれます。

人気のエリア

人気のあるエリアであれば多少築年数が経過していても仲介で売れる可能性は高いです。

逆に買取だと損をしてしまう可能性があります。

一括査定で反応よい場合

不動産一括査定サイトで査定依頼を行い、不動産業者からの反応が多い物件は、電話がよくかかってくる物件は仲介で売れる可能性が高いです。

仲介業者も売れると見込みコンタクトを取りますので仲介で売却をした方がよいです。

時間がかかってもよい場合

時間がかかっても高く売りたい場合には、仲介がおすすめです。

仲介であれば、自分で売り出し価格の希望を出せますし、売れ残ってしまったら買取を検討する流れがよいでしょう。

不動産買取に向くケース

不動産買取に向くケース

不動産買取が向くケースは次のケースです。

築古物件

築年数の古い物件は、大規模なリフォームが必要になることが少なくありません。

しかし、売主側でリフォームを行ってもその金額が回収できる保証がありません。

一方、リフォームをしない状態では買主候補から良い反応を得ることは難しいのが現状です。

買取での売却をおすすめします。

相続物件

親から相続した不動産を売る場合、特に遠方の実家は買取での売却がおすすめです。

相続物件は築年数の古いものが多く、不具合が多数発生している可能性が高いものです。

仲介で売却した場合、売った後に不具合が見つかってしまうとその補修費や、売買価格の減額を請求される事態になります。

買取であれば、契約不適合責任を免責にしてもらえることが一般的ですので、売った後に補修費を負担したり、売買価格を減額されることはありません。

事故物件

事故物件はその内容にもよってはくるものの、基本的に個人が住居用に買いたいというニーズは少ないです。

また事故物件は取扱いをしない不動産業者も少なくありません。

事故物件の場合は、事故物件専門の買取業者に依頼するのがベストです。

再建築不可物件

市街化調整区域内に立っていたり、接道義務が果たされていないため再建築ができない建物を仲介で売るのは難しいです。

というのも、再建築不可の物件では買主がローンを使いたくてもローンの承認が下りないため原則現金で購入することになるためです。

再建築不可物件でも買取業者であれば買取が可能です。

共有持分

不動産を共有でもっており、自分の持分のみ売りたい場合は仲介ではまず難しいです。

不動産買取業者に依頼をしましょう。

一括査定で反応が薄い場合

不動産一括査定サイトで査定依頼をしたものの、反応が薄いケースや、対応できる仲介業者がみつからないケースがあります。

そのようなケースでは、売却に時間がかかってしまったり売れ残ってしまう可能性が高いでしょう。不動産買取をおすすめします。

不動産買取でよくある質問

不動産買取でよくある質問

ここからは不動産買取についてのよくある質問に回答します。

より高く買取りしてもらえる不動産は?

不動産買取の買取額は一定の相場があるものの、物件により高い買取額を獲得できる場合もあります。

小規模リフォームで再販できる物件、つまり築年数の比較的新しい物件は高値を獲得しやすいですし、人気エリアにある物件は買取業者も確実に買い取るために高い買取額を提示してくる可能性があります。

不動産買取の査定は何件程度貰うべき?

手間をかけてもより高値で売りたい場合は、1件でも多くの買取査定を依頼する必要があります。

なぜなら、買取査定額=売却価格であり、買取査定額は買取業者によってブレがあるためです。

買取査定のできる一括査定サイトの利用やこちらの記事で紹介している買取業者にコンタクトをとりましょう。

まとめ

最後に本記事の要点をまとめます。

不動産買取の買取価格相場は市場価格の6~8割であることが一般的です。市場価格より安くなってしまう理由は以下の通りです。

  • 不動産買取業者は、リフォームを行い再販することが一般的
  • 買取には数種の諸費用がかかる。その諸費用と利益を考慮して買取額が算出されるため
  • 市場価格ー(買取諸費用+買取業者の利益)=買取価格

つまり、買取価格と再販価格の差額はまるまる業者の利益になることはありません。

買取価格の相場を知るためには市場価格を知ることが大切です。

買取価格の相場を調べるには次の3つの方法があります。

  • レインズインフォメーションで市場価格を調べる→その6~8割が買取価格相場
  • 土地総合情報システムで調べる→その6~8割が買取価格
  • HOME’Sやat homeなどのポータルサイトで調べる→掲載されている価格は成約価格ではなく、売出価格であることに注意。

最後に少しの工夫で有利な買取価格を獲得する方法をご紹介しました。

相場価格を調べなかったばっかりに、足元をみられることがないよう買取業者へ裁定依頼をする際は、今回ご紹介した方法で相場価格を把握してください。

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