実家じまいは寂しいもの?後悔しないためにやるべき3つのステップを解説

家の模型を持つ女性の手

もう誰も住まなくなった実家。特に親が亡くなり、相続した実家は、心のよりどころに思う人も多く、売却をためらってしまいがちです。

実家を売るのは寂しい、実家を売ることに罪悪感を感じてしまう、そんな人にぜひ知っていただきたいことを本記事で解説します。さらに、どうしても実家を手放したくない方への4つの提案をします。

思い出のある実家です。あとで後悔してしまわぬよう、本記事を参考に自分にとってのベストな方法を見つけていきましょう。

目次

実家じまいが寂しいと感じるのは親が生きているうちに話し合いを行わなかったから

実家じまいを寂しいと感じ、手をつけないでいる人と、実家じまいを順調に終わらせる人の違いは何でしょう。実は、実家じまいを順調に進めている人の多くは、親の生前に実家じまいについて話し合い、親の意向を聞いています

親の希望や意向を把握しているため、いざ相続が発生した時も、寂しさを感じながらも、迷いなく実家じまいを行うことができます。

一方、生前に話し合いができなかった場合には親の意向がわからないため、物の処分、不動産の処分に際し、親が悲しむのではないか?と罪悪感を抱いてしまうのです。

親と親の亡き後の話をするのは、気が引けるものですが、親が生きているうちしかできません。親のためにも、自分達、子供世代のためにも、しっかり話をしていきましょう。

実家じまいをした方の体験談

3世代家族の後ろ姿

家族も親子関係も人それぞれ、さまざまな事情や関係性がありますが、実家じまいにあたり、誰でも少なからず寂しさは感じています。では、実際に実家じまいを完了させた人の声をみてみましょう。

実家じまいが親の喜びに繋がると感じている人

寂しかったけど乗り越えた人

寂しいけど前に進む人

実家じまいを始める前や、その途中では辛くなったり、寂しくなるのは皆に共通しているのがわかります。

しかし、実家じまいを終えたことで、寂しさよりも前向きな気持ちが強くなる人が多いようです。実家じまいは心の整理にも必要なことのように思えます。

実家じまいが寂しい人への提案4選

紙の家と家族の模型

実家がなくなると、帰る家がなくなるように感じ、やはり手放したくないと考えている人もいるでしょう。そのような人に、ここから4つの方法をご紹介します。

現在の持家を売却し、実家に住む

現在の持家や賃貸物件から引っ越して、実家に住んでしまう方法です。今住んでいる家より、実家に思い入れがあるようなら検討してみましょう

家族がいる場合には、通学、通勤、交友関係にも影響があるため、皆が同意してくれることが前提です。更に、今住んでいる家に住宅ローンが残っている場合には、完済することができないと、実現できません。

なお、実家は築年数が経っていることが多いので、気密性・断熱性など新しい家に比べ性能が劣る傾向にあります。そのため、大規模なリフォームが必要になり、リフォーム費用が大きくなる点はデメリットです。

また、持ち家がどのくらいの価格で売却できるのか気になる方は、不動産売却に特化したサービスのHOME4Uがおすすめです。

複数の業者に一括で査定してもらえるので、最も高い業者に売却するのが賢い選択でしょう。

あなたの不動産いくらで売れる?

実家を賃貸に出す

現在、持ち家に住んでいる場合は、実家に引っ越すのはハードルが高い人もいるでしょう。それでも実家を維持したい人は、実家を賃貸に出すことも検討してみましょう。賃貸に出すためには、最低限のリフォームは必要です。

実家周辺の家賃相場、空室率、戸建賃貸の需要がある地域などか、事前に調査をし、リフォーム費用をかける価値があるのかを検討してください。

リフォーム費用は、リフォーム範囲により100万〜2,000万程と大きくかわります。リフォーム費用が高額になれば、回収までに何年もかかってしまいます。目安として、3年以内にリフォーム費用が回収できるのが理想です。

実家を解体し、同じ場所に新築する

実家の築年数が古く、耐震性や断熱性に問題がある場合、大規模な耐震工事、リフォーム、リノベーションが必要になるでしょう。そのような大規模な工事をせず、建物を解体し、同じ土地に新築する方法です。

建て替えを検討する前に、その土地が再建築可能な土地であるかの確認が必要です。実家が建てられた当時と今では、建築基準法も変わってきているため、再建築が出来ない場合や、同規模の建物が立てられない場合があります。

国土交通省発表の「令和2年度住宅市場動向調査報告書」によれば、一戸建注文住宅の建て替え費用の全国平均金額は3,055万円となっています。

実家の建て替えは、建物解体費用の他、新しい建物の登記費用や、不動産取得税、火災保険料、場合によっては測量費用もかかるため、リフォームに比べ費用が高額になります

出典:国土交通省 令和2年度住宅市場動向調査報告書

空き家の見守りサービスを活用する

実家をそのまま維持したい、しかし人に売ったり、貸したりしたくない場合には、適切な管理をすることが重要です。

実家を維持するには、最低月に1度は実家を訪れ、掃除、換気、通水、害虫駆除、雑草処理をしましょう。適切に管理されない空き家は、近隣住民に迷惑がかかりますし、特定空き家に指定されるリスクもあります。

遠方で管理するのが負担になる場合には、空き家の見守りサービスを活用し、実家の資産価値を維持できるようにすることが大切です。今は様々な空き家の見守りサービス、管理サービスがあります。

アルソック 留守宅サービ

ダスキン 空家点検サービス

実家がなくなるのは寂しい。それでも空き家は実家じまいすべき理由

家の模型を守る手

誰でも実家がなくなることは、多かれ少なかれ寂しいと感じるものです。しかし、人が住む予定がない実家は家じまいをするのがベストです。その理由を解説します。

空き家は家の傷みが早い

人の住まなくなった家は、次の様な要因で劣化が進みます。

  • 高温多湿な日本では、カビが発生しやすい。人が住まなくなった家は、人の動きによる空気の対流がない上に、窓やドアは閉めっぱなしのため、簡単にカビが発生する
  • カビが発生するような湿気のある場所はシロアリや害虫が好み、シロアリ被害のある建物は資産価値が大幅に減る
  • 通水をしないと、水道管がサビてしまい、漏水の原因に繋がる
  • 日本の下水管と給水管には封水トラップがあるが、通水していないと封水トラップの水が蒸発し、なくなることで、下水道管の悪臭が部屋に漂う
  • 消臭の施工は高額になることが多いわりに効果が低く、資産価値が減る
  • 封水トラップの水が無くなることで、下水道管からゴキブリやネズミなどの害虫があがってくる可能性がある
  • 雨漏りなどにすぐに気づけず、雨の吹込みにより木材が腐食し、倒壊のリスクがあがる

空き家は近隣から迷惑がられる

適切な管理のされていない空き家は、空き巣、不法占拠、放火、不法投棄など様々な犯罪の温床となります。数年前には、大阪のベッドタウン富田林市の住宅街の空き家で、大麻を大量に栽培していたベトナム人が逮捕される事件も起きています。

このように、管理のされていない空き家が増えると、その地域の治安が、徐々に悪化します。更に草木の手入れがされず、窓ガラスが割れたままなど、老朽化された空き家は、景観にも悪影響を与えるため、不安や不快感を感じている近隣住民とのトラブルに発展してしまうことも珍しくありません。

両親が大切にしていた実家が、犯罪の温床になり、近所からも迷惑がられてしまうのは、誰にとっても苦しいものです。

今の寂しい気持ちに、さらにつらい気持ちも重なってしまうのは嫌ですよね?大切な思い出に傷がつくことを防ぐためにも、できるかぎり早めに実家じまいをしたほうが良いのです。

空き家の維持費は負担になる

人が住んでいない空き家でも、固定資産税と地域によって都市計画税が課税されます。相続が発生し空き家になった実家の場合、名義が亡くなった方の名義のままであっても相続人全員に支払い義務があります

更に2020年からは、不動産の名義が変更されていない場合には、3か月以内に不動産のある市区町村役場や都税事務所へ「相続人代表者指定届兼固定資産現所有者申告書」を提出しなければなりません。

この届出をしない場合には、10万円以下の過料を処される可能性があるため注意が必要です。

このような税の負担以外にも、適切な管理を行うためには、水道、電気などの公共料金、実家までの交通費、実家の見守りサービスなどの費用がかかります。

売りたくても売れなくなる

空き家を数年そのままにした後、やっぱり管理が大変だからと売却を検討しだす人もいます。しかし、たった数年でも人の住まない家の劣化は早く、あっという間に資産価値は落ちるため、更地でないと売れない状況になります。

日本にはすでに世帯数以上の住宅が存在しています。人口は今後も減っていくことを考えれば、空き家売却はすでに買主を求める椅子取りゲーム状態になっていると言っても過言ではないでしょう。

空き家対策の政策は加速する

ここ数年の国、自治体の空き家対策は、放置している空き家を減らすためのペナルティ制度の施行と、空き家を処分しようとする人たちを後押しするリワード的制度の二本立てで対策をしているように見えます。

今後も空き家対策は加速していくでしょう。であるならば、ペナルティ制度を気にするより、支援があるうちにそれを使って実家じまいをするのが得策ではないでしょうか。

売却するなら3年以内をめざす理由

家の模型と電卓

税金が低くなる可能性がある

空き家になった実家を売却するなら、3年以内の売却がベストです。なぜなら、売却した際の税金が低くなる可能性があるからです。

不動産を売却し、売却益がでれば譲渡所得税が課税されます。つまり、買った時より高く売れると税金がかかるということです。

しかし、各種の特別控除・特例を使えると、譲渡所得税がかからなくなる可能性があります。そのキーとなる特別控除・特例は数種類ありますが、なかでも控除額が3,000万円と大きいものが次の2つです。

  • 居住用財産の3,000万円特別控除
  • 空き家を売った時の3,000万円控除の特例

どちらも細かな要件はありますが、原則として期限の要件があります。

  • 居住用財産の3,000万円特別控除は住まなくなってから3年を経過した年の年末
  • 空き家を売った時の3,000万円特別控除は、相続開始の日から3年を経過した年の年末

どちらも3年+αという期限が設けられています。3年以内の売却をおすすめする理由のひとつは、この特例を使えるようにするためです。その他の特別控除はこちらの記事で紹介しています。

現在の不動産投資の状況

更にもうひとつの理由としては、現在の不動産投資の状況です。2018年頃より、築古戸建の賃貸経営をする、個人の不動産投資家が増えているのはご存知でしょうか。

以前は不動産投資といえば、金融機関からの融資を利用したアパート・マンションなどの一棟ものが中心でした。しかし、2018年世間を騒がせた「かぼちゃの馬車事件」頃からの不正融資問題が多発した結果、2018年以降は個人投資家に対する不動産融資の利用が厳しくなっています

融資利用が厳しいため、一部の個人投資家は現金で購入できる「築古戸建」を積極的に購入しています。もちろん、リフォームを行う必要のない物件は有利ではありますが、築古戸建の投資家はDIYでリフォームを行う人も多くいます。このような、投資環境のあるうちが間違いなくチャンスです。

どこかのタイミングで、不動産融資の蛇口が開けば、築古戸建投資のブームは去ってしまう可能性もあります。不動産売却もタイミングが大切なのです。

実家じまいで後悔しないための3ステップ

家の模型

実家じまいであとから後悔しないためには、納得して進めることが必要です。そのためにここから紹介する3ステップで、実家の現状や可能性を確認していきましょう。

不動産業者に売却の査定を依頼する

もしも売るとしたら、いったいどの位で売れるのか?売ると決めていなくても、実家がいくらで売れるのか、知っておいても損はありません。無料で複数の不動産会社から査定をしてもらえるので試してみましょう

都市部の実家、郊外や地方の実家、実家ごとの特性にぴったりの査定の方法は下記の記事で紹介しています。

賃貸可能性を探る

次に、もしも賃貸に出したら需要があるのか?家賃相場はどの程度かを調査します。

インターネットで調査

まずはインターネットを使って調査します。以下のポータルサイトを使い、実家のある地域の空室率や家賃相場を確認しましょう。

Homes見える!賃貸経営

Homes見える!賃貸経営では賃貸需要ヒートマップという機能があり、物件閲覧した回数をピンポイントで調査することができます。

Homes 見える!賃貸経営

SUUMO 家賃相場

SUUMOの家賃相場を調べる機能では、マンション、アパート、戸建など、物件の種類別に家賃相場を調べることができます。

SUUMO 家賃相場

サイトによって偏りがでることもあるため、複数のポータルサイトを使って、空室率や家賃相場を調べることが大切です。

これらのポータルサイトを使い、競合物件(近隣の物)の家賃や築年数などを確認すれば、おおよその家賃相場もわかります。

実家周辺の不動産会社に電話する・訪問する

いちばん実情を知っているのは、物件の近くにある不動産会社です。できれば数件の不動産会社に問い合わせをします。遠方の場合には電話で問い合わせをしてみましょう。

  • 客付け(借主を探すこと)はできるのか?
  • 客付けできる家賃はいくらか?
  • 年間何件くらいの問い合わせが来そうか?
  • 入居者に人気のある設備は何か?
  • 実家周辺で賃貸物件はどの程度あるか?

などを確認してみましょう。

リフォーム費用の見積もりをとる

賃貸需要や家賃相場を確認し、実家を賃貸に出せそうな結果が得られた場合、リフォーム費用はどの程度かかるのかの目安を調べましょう。

リフォーム業者によって費用に幅がでるものです。複数の業者に見積もり依頼をすれば、おおよその費用感がわかります

どの方法がベストか検討し行動しましょう

ここまでで、売却した場合の売却額の見込みと賃貸需要や賃料の相場、賃貸に出す場合のリフォーム費用の目安が確認できました。

賃貸に出す場合、リフォーム費用を3年で回収できるのが理想です。家賃相場とリフォーム費用の見積りがでているので、賃貸経営ができそうか否かの判断材料としてみてください。

売却する場合の査定額、賃貸の家賃相場や需要、リフォーム費用など具体的な数字がでてくると、前に進めやすくなります。

また売却活動を開始した後でも、売買契約に至る前であれば、賃貸に切り替えることも可能です。タイミングを逃す前に、行動に移していくことが大切です。

まとめ

家の模型を持つ男女

空き家になった実家を手放すことに罪悪感を感じてしまうのは、親の意向や気持ちを確認できなかったことも要因のひとつでしょう。人はいつ亡くなるかわかりません。親が健在のうちに、実家じまいについて話をする時間をぜひ作ってください

寂しいからと実家をそのまま放置するのは、今のご時世リスクは高まるばかりです。つい先日も空き家対策が強化されるような報道がされました。

この記事を読んでいただいた今こそ、行動に移すタイミング、頭で考えているだけでは物事は進みません。

本記事を参考に、売却・賃貸のどちらが有利なのか具体的な数字に落とし込むことが必要です。そのためにも、今は売る意思が強くなかったとしても、どの程度の相場で売れるのかは確かめておくことが重要です。

まずは、無料で複数の業者に一括で査定を依頼してみましょう。

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