住む予定のない空き家になった実家は負動産になりつつある。悲しいことですが、この傾向は人口減少が進み、反対に増えていく空き家の状況を考えれば仕方のないことかもしれません。
「田舎の実家が売れない」
「売れない実家をなんとか手放したい」
そんな人もすくなくないでしょう。本記事では、空き家になった実家が売れないと悩む人に向け、次のことを解説します。
- 空き家の実家が売れない理由9選
- 売れない空き家は仲介より買取がおすすめな理由
- 買取を断られた!自力で手放す方法
- 空き家の実家を売るときの心構え
実家がが市街化調整区域であったり、再建築不可物件や事故物件の場合、売れないと諦めていませんか?そんな方への対処法も本記事で紹介します。
なぜ実家は売れ残る?実家が売れない理由
【売れない理由1】物件の状態が悪い
実家が売れない理由のひとつは実家の建物の状態が悪いことが挙げられます。実家は築年数が古く、設備も老朽化が進んでいることが多いです。
一般的に、建物の価値は25年から30年程度で0になると言われます。築年数が全てではありませんが、あまりにも状態が悪い場合は、取り壊しの費用がかかることも想定され、マイナス価値になっていることもあります。
【売れない理由2】立地が悪い
建物はたとえ老朽化してもリフォームしたり、再建築可能な土地であれば新築することも可能です。しかし、立地だけはどうにも変えることはできません。この立地の問題で売れないことも考えられます。
- 駅から遠い
- 商業施設まで遠い
- 学校が遠い
- 治安が悪い
- 騒音がひどい
- 日当たりが悪い
このような立地の不動産は売却に苦戦します。
【売れない理由3】片付けがされていない
実家は家族が住んでいた家のため、荷物が大量にあります。きちんと整頓されていればよいのですが、空き家になってしばらくしても片付けがされていないケースがあります。
内見の際、一般の購入希望者がその状態をみると、印象が悪く、自分達が住むイメージもできず、購入意欲も湧きません。建物自体がたとえ古くなくても、片付けのされていない家はなかなか買主候補が現れにくいでしょう。
【売れない理由4】値付けが間違っている
問い合わせも、内見希望者もいない。そんな不動産は、そもそもの値付けが高い可能性があります。あなたが希望した金額かもしれませんし、不動産業者の勧めた金額かもしれませんが、反応がないなら価格の見直しをしましょう。
問い合わせが入っていたり、内見に来る人がいるのなら、何がネックになっているのか、不動産業者に理由を聞いてみましょう。できる不動産業者は内見に来た人が購入にいたらなかった理由を確認しています。その点を聞き出し、改善していくようにしましょう。
【売れない理由5】不動産業者にとって利益がない
不動産仲介業者に依頼しているのに、何の反応もない場合には値付けの見直しと共に、不動産業者の変更も考えましょう。
不動産業者の報酬は扱った不動産の成約価格により変わります。つまり、自分の利益にならない不動産の売却には積極的に動かない、もしくは動けないことがあります。しかしすべての不動産業者がそうではありません。実家を積極的に扱ってくれる不動産業者を探し直しましょう。
【売れない理由6】再建築不可物件である
実家が再建築不可の物件の場合、売るハードルは高いです。建替えができないこと、買主がローンを組むことが難しい点などが再建築不可物件が売りにくい理由です。再建築不可物件は、敷地を広げたい近所の方や、再建築不可物件を積極的に扱う買取業者に依頼するのがよいでしょう。
株式会社AlbaLink は、Googleの口コミでも再建築不可物件の買取をしてもらえた方の口コミが掲載されています。口コミも概ね良い口コミが多く積極的に買取を行っていることがわかります。問い合わせをして損はないでしょう。
再建築不可の物件だという事は理解していましたので、アルバリンクさん以外の会社にも問い合わせしましたが、「また連絡します」と電話ありましたが、その後は音沙汰なし!アルバリンクさんは対応も早く、また丁寧な説明で信頼できる会社だなと思い、お願いしました。ありがとうございました。
引用元:GoolgeMap クチコミ
【売れない理由7】権利関係に問題がある
隣地と境界トラブルがあるような物件も難しいです。まずはトラブルを解決することが先決です。境界が不明瞭な場合には土地家屋調査士、境界トラブルや相続のトラブルがある場合には弁護士に相談をしましょう。
【売れない理由8】市街化調整区域内にある
市街化調整区域内にある実家は、再建築不可物件同様に売るハードルが高いです。なぜなら、建物を再建築するには都道府県知事の許可が必要なためです。
今仲介をお願いしている不動産会社が地場の不動産会社でないのであれば、市街化調整区域の物件の扱いになれた地場の不動産会社に仲介をお願いしましょう。また、近隣の方への買取のアピールを行ってもよいでしょう。
さらに買取業者の中には市街化調整区域の物件の買取を行う業者もあります。このような業者へ買取査定を依頼してみるのもよいでしょう。
【売れない理由9】事故物件
全ての事故物件が売れないわけではありません。事故物件であるハンディを超えるメリットがあれば、事故物件でも売れます。しかし、事故物件を取り扱わない不動産業者も存在します。
仲介で依頼しているのに、事故物件のため売れないようなら、事故物件の買取専門業者に問い合わせをしてみても良いかもしれません。
成仏不動産の買取は、全国対応、特に東京・神奈川・千葉・埼玉の物件は積極的に買取している事故物件サイト「成仏不動産」を運営し、事故物件に抵抗のない層をターゲットに事故物件を販売する不動産業者です。
売れ残った空き家の実家を売り切る対処法
値付けを見直す
売出しをしても反応がない、内見希望者もいない場合は価格を見直しましょう。今現在、不動産業者と媒介契約を結んでいても、査定を受けることは自由です。再度査定を複数業者から取得し、今の売出し価格が査定価格と乖離していないか確かめてみましょう。
また、現在依頼している不動産業者が積極的に動いてくれないと感じているのなら、他の仲介業者と契約を結ぶことも可能です。
買取業者に買取してもらう
しばらく仲介で売り出しているものの、反応がない場合には、値付けの他にも「再建築不可物件」のような、売れない原因があるのかもしれません。しかし、空き家の状態で売れない期間が長くなると、管理の負担は続く上、固定資産税等の税金の負担も続きます。
スピーディーに手放したいのであれば、買取業者に買取をしてもらう方法が良いかもしれません。ここから買取について解説します。
売れ残った実家処分にイチオシは買取な理由
結果がでるまでがスピーディー
買取とは仲介と異なり、不動産買取業者が買主となり物件を直接購入する売買形態です。
メリットは買主を探す必要がないため、取引がスピーディーに進むこと、現金化までが早い点です。一方で相場より6割から8割程度の価格での買取になることがデメリットとなります。
現金化までもスピーディー
買取業者の提示した買取金額に納得できれば、売買契約に進みます。そのため、現金化もスピーディーです。買取業者によって入金タイミングは変わりますが、早ければ1週間程度、約1カ月間あれば入金になることが多いでしょう。
契約不適合責任が免責される
不動産売却後、土地建物に契約書と異なる不具合があれば、売主はその責任を負わなくてはなりません。これが契約不適合責任です。
特に中古の建物は、売主が把握していない不具合がみつかる可能性もあり、売主目線では契約不適合責任は責任の範囲が広く、リスクが高いものです。
しかし、買取の場合は、買取業者がこの契約不適合責任を免責してくれることも多いため、売却後に不具合がでても責任を負わずに済みます。ただし、免責にしてくれるかは買取業者によりますので注意しましょう。
片付けが不要
実家の処分でいちばん大変な実家の片付けができなくても、買取をして貰えます。もちろん、その分買取費用は安くなりますが、実家が遠方の場合や、片付け業者に頼む費用が手元にない場合には便利ですよね。
実家を買取してもらうデメリット
買取のデメリットは、買取価格が相場の6~8割程度となることです。時間がかかっても少しでも高く売却したい場合には買取は向きません。私なら最初に買取業者の査定額を聞きつつ、まずは期間を決めて仲介業者に売却を依頼します。期間内に売れなければ仲介ではなく買取業者に依頼をします。
もうひとつのデメリットは買取業者に限ったことではありませんが、強引な買取業者も存在します。契約不適合責任の免責はなく、買取後に色々言い掛かりをつけ、高額な補修費を請求するような業者も残念ながら存在するようです。
このような悪徳業者を避けるためにも、複数の買取業者に査定依頼をし、やりとりの中で強引な点はないか、一方的な話をしてこないかを確認しましょう。もちろん、買取業者のホームページや口コミも参考にします。
売れない実家を買取してもらう流れ
1.情報を集める
査定をする前に、実家がいくらで売れそうなのか相場を自分で調べます。これは、相場を知ることで買取業者から出される査定額が妥当かを知るためです。具体的には次の方法で実家の相場を調べます。
国土交通省の不動産取引価格情報検索を使って調べる
戸建、マンション、土地など不動産の種類ごとに実際にあった取引の価格の履歴を検索できます。
アットホームやSUUMOなどのポータルサイトで調べる
実家のエリアの売出し中の不動産を確認します。ポータルサイトに掲載されている不動産の価格は売出し中の物件の価格であり、まだ成約に至っていない物件の価格であることに注意しましょう。
2.一括査定サイトで調べる
複数の不動産仲介業者に実家の依頼すれば、おおよその相場観は掴めるでしょう。ただしこの査定額も、机上の査定額であるため、実際に成約する価格というわけではありません。
実家の一括査定サイトであれば、HOME4Uがおすすめです。
全国どこに住んでいても使うことができますし、一括で6つの業者に依頼できるので、相場や最大で売れる業者が見つかります。
利用は完全無料なので、ぜひご利用ください。
あなたの不動産いくらで売れる?不動産一括査定ならHOME4U3.買取査定を依頼する
自分自身でおおよその相場を把握したら、複数の買取業者に査定依頼をします。机上査定ですと正確な買取金額がわからないので、訪問査定を依頼しましょう。
4.買取業者が物件調査と査定
買取業者による実家の査定を受けます。その後、買取業者は役所や法務局での調査、取引事例の調査などを行います。
5.買取金額の提示または断り
査定後おおよそ1週間程度で、買取可能な場合には買取額の提示がされます。買取額が自分の調べた相場の6~8割より安い買取額が提示された場合は、なぜその買取額になったかの理由も確認しましょう。
買取額に納得した場合は、契約締結に進みます。
6.条件等の打ち合わせ
引渡し時期や引渡し時の条件等を打ち合わせします。
7.売買契約
条件が整えば売買契約の締結をします。
8.引渡し(決済)
引渡し時は買取業者、司法書士と共に売買代金の精算、登記書類の署名、鍵やその他書類のやりとりをします。抵当権が設定された実家であれば、同日に完済し抵当権抹消に必要な手続きを司法書士がします。
買取業者に買取を断られることはあるの?
いざとなったら頼りにしたい買取ですが、買取業者でも買取ができない不動産もあります。次のような不動産は買取を断られることもあるでしょう。
- 建物の状態が非常に悪く、リフォーム費用が高額になる物件
- 再建築不可物件は業者がローンを組むことができない。
- 事故物件
ただし、このような買取が難しい物件でも自分で判断せずに、まずは買取可能か査定を受けてみましょう。訳あり不動産専門と謳う会社も存在します。
Googleの口コミでも再建築不可物件の買取をしてもらえた方の口コミが掲載されています。口コミも概ね良い口コミが多く積極的に買取を行っていることがわかります。問い合わせをして損はないでしょう。
全国対応、特に東京・神奈川・千葉・埼玉の物件は積極的に買取している事故物件サイト「成仏不動産」を運営し、事故物件に抵抗のない層をターゲットに事故物件を販売する不動産業者です。
売れない実家を自力で手放す方法
仲介でもなかなか売れず、買取も断られた。。。そのようなケースではあとは自力で何とかするしかありません。自力で実家を手放す方法を紹介します。
近隣にアピール
実家の両隣の人、裏の家の人に声をかけてみましょう。子どもを呼び寄せたい、敷地を広げたいなど意外に需要があることがあります。挨拶がてら、ぜひ近隣の方へのアピールをしてみてくださいね。
インターネットで宣伝する
家いちば
サイトオープンは2015年、老舗のサイトです。特徴は契約成約時には、仲介として契約書、重要事項説明書の説明まできちんと行っている点。もちろん掲載費は無料です。(※司法書士に払う登記費用は別途支払い必要)
みんなの0円物件
0円でも引き取り手が欲しい人に利用されるサイト。掲載された物件は全て0円です。
掲載にあたっては、2つのプランを選べます。みんなの0円物件のメリットは無料で掲載できること、事前に不動産に関する相談を対面・ビデオ通話・電話で無料で受けてもらえる点です。
デメリットは、仲介業務を行わないため(あくまで事務サポートというスタンス)、何かトラブルがあった際は自分で対応が必要になる点、責任の所在が不明になりやすい点でしょう。
空家ベース(ソライエベース)
無料で空き家を掲載でき、TwitterなどのSNSを使って空家ベースが買主を探します。SNSを使った仲介になります。
手数料は通常の仲介手数料と印紙代、登記費用が必要です。2020年8月にスタートしたサービスで約2年間で50件の成約実績、成約は少ない物の無料掲載・残置物をそのまま残して売却できる点は嬉しいですね。また仲介として入ってもらえるため、不慣れな不動産取引でも安心です。
東京R不動産
無料で空家掲載可能なおしゃれ不動産サイト。掲載物件は、都内近郊が多く、地方の場合は特に特徴がない不動産は掲載は厳しい。都内近郊のリフォームが必要な空家を特に募集している。
空き家バンクに登録
各自治体が運営する空き家プラットフォーム、不動産購入者と空き家の売却希望者をマッチングするサービスです。
メリットは、空き家バンクに登録した空き家の所有者に、空き家の片付け費用の補助金を出す自治体もあることです。デメリットは、空き家バンク自体の露出が多くないこと、購入希望者と直接やりとりが発生すること、仲介手数料も普通にかかることでしょう。
なお、不動産会社と媒介契約(仲介して貰うための契約)をしている物件は空き家バンクに登録できません。
相続土地国庫帰属制度を利用する
今まで土地を放棄することができませんでしたが、2023年4月27日から新制度「相続土地国庫帰属制度」がスタートします。ただし、制度名の通り「土地」のみが対象のため、更地である必要があります。
また対象となる土地には色々と条件があるため、興味のある方はこちらのページより確認してください。
この制度は、国に不要な土地を引き取ってもらう制度のため、審査料と10年分の管理費用が必要です。更に申請は弁護士や司法書士などの専門家に依頼することになるでしょう。(現時点で、手続き詳細は未定)
どうする?売れない実家を売るときの心構え
早め早めに行動する
実は実家の売却をするときの最初のハードルは、実家の片付けです。片付けが進まず、売却のスタート地点にも立てないと、どんどん売却の機会損失が発生します。自力での片付けが難しいなら業者を使いましょう。
また、片付けをせずにそのまま売却できる・買取や空家ベースなどのマッチングサイトの利用も検討しましょう。
多少安くても売り切る
高く売却できるに超したことはありませんが、欲を出してしまうと売れるものも売れません。
実家を保持し続ける場合の管理の負担・税の負担・所有者責任のリスクも含めて考え、相場より少々安くなったとしても、売り切ることをおすすめします。相場の把握は大切ですので、かならず自分で確認しましょう。
ひとつの方法に時間をかけない
売却活動を始めてもなかなか売れない場合、「とりあえず様子見」は危険です。特に地方の不動産は、空き家の増加に伴い、売却難易度は年々上がってきます。既に世帯数より、住戸の数が上回っているのです。
仲介で売りたいのであれば、不動産業者を変える。仲介から買取に変える。焦ることはありませんが、早めの判断が実家を売り切るためには必要でしょう。
売却期間中も管理を怠らない
空き家はほんの半年経っただけで老朽化が進みます。売却期間中も最低月に1回程度換気と通水をしましょう。実家が遠方で管理が出来ない場合は、管理サービスの利用を検討してください。
全国展開をしている空き家の管理サービス
サービス名 | 管理内容 | 費用 | 備考 |
---|---|---|---|
LIVNESS | ALSOKホームセキュリティー設置による24時間監視と緊急時駆けつけ 換気 通水 ポスト管理 簡易清掃 庭・庭木管理 建物外観チェック | マンション 9,900円/月 戸建 11,000円/月(1回巡回) | 写真付きの巡回結果がメールで届く 大和ハウスと警備会社のALSOKが提携 巡回は月に1回ただし機械による24時間監視付 |
日本空き家サポート | 換気 通水 ポスト管理 簡易清掃 雨漏り・カビ確認 防犯確認 庭・庭木管理 管理看板設置 クレーム対応 | スタンダードプラン 11,000円/月(1回巡回) スタンダードプラス 14,300円/月(2回巡回) | 動画形式の巡回結果が送られてくる |
空家・空地管理センター | 建物外観チェック クレーム対応 管理看板設置 | 100円管理プラン 100円/1回 | 初期費用3,800円 |
換気 通水 ポスト管理 庭・庭木管理 雨漏り点検 近隣挨拶 建物外観チェック 管理看板設置 クレーム対応 | しっかり管理 4,000円/1回 7,500円/2回 15,000円/4回 (4回コースは掃除サービス付) | 初期費用3,800円 写真付きの巡回結果報告がメールで届く |
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全国地場の不動産・住宅関連企業が空き家サポーターとして巡回をします。不動産管理のプロによる巡回は安心ですね。プランもスタンダード、スタンダードプラスと選べます。
- 5,000円~/月
外観チェックのみを行う100円管理プランと通常の管理サービスを提供するしっかり管理プランとニーズに応じてコース選択が可能。建物を維持したい場合にはしっかり管理プランを選びましょう。
まとめ
売れない実家に頭を抱えている人は売れない原因を分析して、対処をしましょう。3ヶ月経っても反応がない場合は、思い切って仲介業者を変更することも検討しましょう。
仲介で高値を狙うのも良いですが、本サイトのおすすめは買取で売り切ることです。時間をかければかけるほど、古い実家は売りづらくなります。その点買取なら、訪問査定で買取確定額を出してもらえるため、スピーディーに実家を売り切ることが可能です。
ただし、買取を利用する場合には、足元を見られないよう、一括査定サイトで相場を把握しつつ買取査定の依頼を行うことが重要です。