実家の片付けを楽にするには?片付けの必要性やコツを徹底解説

家について悩む人

親が年を取るにつれて年々実家が散らかってきた。そんなふうに感じる人も少なくないでしょう。

実家の片付けは、何度やっても復元されるのでうんざりしますよね。

本記事では実家の片付けに関する次のことを解説します。

  • 実家の片付けをする必要性
  • 親と揉めずに実家の片付けをするコツ
  • どうして実家は物だらけなの?
  • 親と揉めずに実家を片付ける方法
  • 親が片付けを拒否する場合は?

さらに、親に乗り気になってもらえそうな本も紹介します。

実家の片付けは、親の生前に行えればメリットは大きいものです。揉めずに実家を片付けられるよう本記事を活用してくださいね。

目次

実家の片付けにうんざり?辛いのはあなただけじゃない

悩む夫婦

実家の片付けに悩んでいる人は年々増えています。そして実家じまいをしている人が口をそろえるのは「実家の片付けがいちばん大変」ということ。

2018年に株式会社リビングくらしHOW研究所が行ったアンケートでは、かつて実家のことで悩んでいた人の約40%が「片付け」について悩んでいたという結果が出ました。また調査結果の回答では次のような声が挙がりました。

  • とにかく物が多く、要不要の選別、ごみの選別、粗大ゴミの引取りなど、1ヶ月近く実家から通ったり泊まったりして作業した。うんざりするほど大変な作業だった
  • あまりにも荷物が多く6年たった今でも片付けきらない
  • ため込んである荷物の処分に3ヶ月かかり、実家までの交通費もかかり体調を崩した
アンケート調査1

※株式会社リビングくらしHOW研究所が2018年に行った親の家についてのアンケートに基づき本サイトが作成

どうして実家は物だらけ?理由を解説

ところで実家はなぜ物が多いのでしょうか。

一般社団法人日本ホームステージング協会の行った調査では、約50%の人が実家の物が非常に多い・多いと回答しています。

私の実家も表面上は物は多くあるようには見えませんが、押し入れとタンスには物がぎっしり詰まっています。

アンケート調査
出典(PDF):実家の片付けに関する実態調査|一般社団法人日本ホームステージング協会
アンケート調査
出典(PDF):実家の片付けに関する実態調査|一般社団法人日本ホームステージング協会

身体的な制限による影響

掃除をしなくちゃ」「整理整頓が必要だわ」とは思っても、高齢になると体力的に難しくなることもあるでしょう。

親の年の疲れ具合や体力がどの程度あるのかは、子ども達の私達には体感として理解することができません。つい親は元気なものと思い込んでしまいますが、確実に年をとり体力は衰えているはずです。

  • 大きな物が持てない。
  • 重い物が運べない。
  • 体力が続かず片付けを終えられない。
  • また身体的な衰えもあり、高齢になると面倒だと感じることも多くなる。

以上のような傾向も見られるようです。

物を手放せない心理

私たち子ども世代とは違い親の世代は(親の年齢にもよりますが)物のない時代、食べ物も豊富でない時代を生きぬいてきた世代です。

私の母は20代の頃に初めて ピザを目にして食べ方がわからなかったと話していました。そんな親の世代は物を大切にする人が多いのは当然かもしれません。

もったいないから捨てられない、いつか使う日が来るから捨てたくない。「もったいない精神」をいまさら変えるのは難しいでしょう。

買いだめしたい心理

高齢になると、特別トレーニングをしていない限り足腰も弱くなります。万が一動けなくなったときなどに備え、普段から買い置きや買いだめをしている人も多いのかもしれません。

コロナショック時のドラッグストアの前には、朝から開店をまつ高齢者の行列がありました。

それは、もちろん自分のためでもあったでしょうが、「子どものため手に入れよう」「何かあったらお互い様」と子どものため、近所の人のために並んだ人もいたようです。

そんなこともあり、ついついいつも多めに買ってきてしまう人も多いのでしょうね。

実家の片付けの必要性

必要

親の世代がつい物をため込んでしまう理由や片付けが進まない理由を解説しました。しかし、そうはいっても実家が散らかり放題、物が溢れ放題だと子ども達は何とかしないとマズイと頭を抱えます。

先程の一般社団法人日本ホームステージングの調査では約半数の人が、実家に片付いていない部屋がある・どの部屋も片付いていないと回答し、約7割弱の人が実家の片付けが必要だと回答しています。

アンケート調査
アンケート調査
アンケート調査

ところで、子ども世代はなぜ実家の片付けをすべきと思っているのでしょうか。

処分するのにお金がかかる

いきなり現実的な理由ですが、実家の荷物を整理するのにはお金がかかるため、片付けをしないとマズイと思っている人が多いようです。

たしかに、実家の荷物を処分するのは自力で行ってもお金がかかりますし、業者に頼むとまとまった金額になりますね。コツコツ少しずつでも整理をしていけば、将来処分するときもかかるお金は少なくなるでしょう。

将来の相続時に大変になる

将来の相続時に物の整理をするのは子ども世代ですので、心配になるのも当然でしょう。

また、いざ相続になったときに貴重品の場所の把握、財産の把握ができていないと、大混乱が起きるので相続に備えて片付けをしたいですよね。

親がケガをしないか心配

良かったです、親を想っての理由が3位に入りました。

高齢者の転倒事故の約半数は自宅で起きています。

転倒事故の原因
  • 「滑る」
  • 「つまずく」

がトップです。

床においてある荷物につまずき転倒してしまったケースも少なくないのではないでしょうか。

アンケート調査
アンケート調査
出典(PDF):10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!|消費者庁

不衛生で病気が心配

物が多い部屋では、掃除をするのも大変です。

また物が多く、風通しが悪くなれば、湿気がたまり、カビの発生原因になりますね。

ウイルスや細菌の繁殖により体力のない高齢者は病気になるリスクが上がります。

親の緊急時に対応するため

高齢者に限ったことではありませんが、ケガをしたり入院したりするような事態が起こったとき、必要なものがどこにあるのか把握できていないと、迅速に動くことができません。

一緒に片付けをすることのメリットのひとつは、どこに何をしまっているか把握できることですね。

在宅介護がしやすくなる

将来、在宅介護をすることになれば、物が多く手狭になったスペースでは、介護を行うのに不都合です。重労働な介護の負担を少しでも軽減するためには、快適なスペースが必要です。

実家の片付けを親と揉めずにするコツ

悩む男性

実家の片付けをしようと子ども世代がやる気を出し取り組んだところ、親と揉めてしまうことがあります。

親にとっては「捨てられては困る」「もったいない」という気持ちもあるでしょうから、強引に行うのは避けましょう。

ここからは親と揉めずに片付けを行うコツを紹介します。

片付けることの必要性を示す

「これ使ってないなら捨てるよ」良かれと思ってとった行動が親との揉めごとに発展するのは、悲しいですね。まずは親が納得できるよう、片付けの必要性を伝えましょう。

自分達が将来困ることや、片付いていなくて恥ずかしいなど自分サイドの都合を伝えるのではなく、あくまで親のことを考えているため必要だと伝えましょう。

  • 親の安全のため、健康のために片付け行う必要があること
  • 将来何かが起こった際に、素早く対応できるように準備をしたい
  • ケガをすることなく元気に過ごして欲しいので快適なスペースをつくりたい

このような感じで伝えてみてはいかがでしょうか。

人によっては、すぐに受け入れてくれないかもしれませんが、強引にすすめるよりはお互いストレスも少ないでしょう。

自分の部屋から片付けを始める

実家に自分の部屋があれば、その部屋の片付けをするところからスタートしましょう。

実家にある子どもの荷物を邪魔と思っている親は実は多いです。言いたくても言えない親が多いため、片付けに反対される可能性は低いはず。

まずは、部屋が片付くとどれくらい気分がスッキリするのかを実感してもらいましょう。

アンケート調査

※株式会社サマリーが実施した2019年実施「お子様の荷物に関する調査の結果」に基づき本サイトが作成

アンケート調査
出典:お子様の荷物についての調査2019年7月実施|株式会社サマリー

親と揉めずに片付けるための心づもり

せっかく実家を片付けるのなら、やって良かったと思ってほしいですね。どのような心づもりで片付けを行うのがよいのでしょうか。

親の意見を聞く

実家の持ち主は子どもではなく親です。家の中にある大半のものも、持ち主は親です。持ち主である親の意見をとりあえずは全て聞いてみましょう。

うなずけない意見でも、その場で否定をするのはNGです。

指図をしない

実家じまいを考える世代の親とじぶんたちとでは、体力も情報量も気力も違います。また親子だという意識もあり、つい遠慮がなくなりがちです。

良かれと思って伝えたことが、指図をされたと受け取られることもあります。親子だという認識は奥に押しやり、親を一人の人間として対応することを心がけましょう。

勝手に捨てない

親からすると勝手に物を捨てられるのはとても悲しい気持ちになるものでしょう。もちろん物が多すぎる場合は、捨てなくてはならないこともあるでしょう。

その場合は、勝手に捨てるのではなく、「私にちょうだい」といって譲ってもらう形をとるのも良いでしょう。

捨てられるのはいやだけど、子どもが使ってくれるならと喜んで譲ってくれるかもしれません。

親と揉めない片付けの始め方

話し合う家族

親と揉めずに片付けを進めて行くための片付けの始め方を解説します。

片付けてほしくないものを親に確認

あなたにも触れて欲しくない物、見てほしくないスペースはないでしょうか。

私には触れて欲しくないものがあります。最初にそこに触ってしまえば、家の片付け自体を拒否される可能性もあります。

まずは片付けて欲しくないもの、触れて欲しくないものを確認し、最初にそこには触れないようにしましょう。

まずは子ども部屋からスタート!片付けルートのコツ

ここでスムーズに実家の片付けを行っていくための片付けルートについて解説します。

片付けルート
  1. 自分のかつての部屋
  2. キッチン
  3. 廊下、玄関、階段などの避難経路
  4. お風呂や洗面所、トイレなどの水回り

自分のかつての部屋

先述したとおり、片付けのスタートにかつての自分の部屋は最適です。

自分の物がまだ残っていれば、そこから片付けを開始しましょう。

物を捨てても文句も出にくいので、まずはここをスッキリさせて、「片付くと気分がスッキリする」ことに気付いてもらえるように片付けましょう。

キッチンも片付け序盤に最適

次にキッチンの片付けに取り掛かります。

なぜか実家のキッチンには賞味期限の切れた調味料などが所狭しと置かれていませんか。期限の切れた物は捨てる格好の理由になります。

もしも「もったいない」と言われたら「体調をくずしてしまったら悲しい」ことをアピールするようにしていきましょう。ただし、鍋の置き場所などを良かれと思って変えることは避けましょう。

使い慣れ、使いやすい配置で置かれている物を変えてしまうと、余計なストレスを与えてしまいます。

廊下、玄関、階段などの避難経路

廊下や玄関、階段などの避難経路に置かれた物を整理します。

この場所に物が出ていると、地震が起こったときなどに慌てて転倒したりと危険です。

床に置かれた物、通行の邪魔になる物を片付けます。

お風呂や洗面所、トイレなどの水回り

次に物が置かれていると不衛生になりやすい水回りの片付けをします。

使っていないスプレー缶などは捨て方がわからず(または面倒で)洗面台下の収納にため込んでいることもあります

水回りがスッキリすると、気分もスッキリすることを実感してもらえるでしょう。

その後はリビング→寝室とプライベートな部分に進む

水回りの後は、リビング~寝室とよりプライベートな箇所に進みます。

触れて欲しくないスペースは極力最後にとっておきましょう。

初めは見た目スッキリを目指す

実家の片付けに積極的になっていない場合は、とにかくはじめに「片付けたら気分がスッキリする」という実感を持ってもらうことが大切です。

そのため、片付けは見た目がスッキリすることを目指して行っていきます。つまり、外にでている荷物を収納することを心がけましょう。

収納の中を片っ端から行うと、時間もかかり1日で終わらずに、中途半端で中断することも起こります。そうなるとせっかく片付けをしても雑多な印象を与えてしまいます。

そうなれば「片付けしたら余計汚れた(ように見えるだけでも)」印象を与えてしまいかねません。

一気に片付けず1部屋ずつ攻略

一気に色々な部屋を並行して片付けることは避けましょう。

理由は先程と同じで、並行して数部屋片付け始めると、その日うちに複数の部屋を片付け終わらず、雑多な印象を与えてしまい「片付けると気持ちがスッキリする」状態を感じてもらえません。

捨てる物は当日ゴミセンターまで持ち込みましょう。

ゴミとして分別した物は、捨ててしまえば数日で忘れてしまうものです。しかし、そこに存在していると「もったいない」精神に火が付いてしまいます。

最悪せっかくゴミとして分別できたものが、敗者復活されてしまうことが起こりえます。

ゴミセンターへも持ち込みできない場合は、持ち帰る・見えないところに隠すなどの工夫をしましょう。

迷うものは仕分けておく

子ども側から見るとゴミでも、親から見るとそうでないものがあります。

迷ってしまい分別できないものは、無理に捨てずに仕分けておきましょう。

無理矢理すててしまうと「やっぱり片付けはしなくていい」と拒否されてしまうリスクがあります。

嘘も方便、上手に利用

先述した、「私が使いたいから譲ってくれない?」とお願いするのも有効です。

譲ってくれたらラッキーとダメモトで聞いてみましょう。

家の片付け 親を乗り気にさせる本

本を読む老夫婦

片付けに積極的でない親を、乗り気にさせる本をプレゼントするのはいかがでしょうか。

無理に説得するよりも、ラクに気持ちが変わるかもしれません。これもダメモトで試してみてはいかがでしょう。

89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作り方〈著者〉大崎博子

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