実家じまいはスタートから難関です。実際に実家じまいを経験した人は「大変だった」と口にします。
その中でも、いちばん骨が折れるのが空き家の片付けです。そこで検討したいのが、空き家の片付け業者です。
本記事では、片付け業者の種類や特徴、費用感を解説します。また、業者とのトラブル事例にからめて、優良業者の見極め方やトラブル回避のポイントを紹介します。
実家の片付けに100万円?片付け業者の相場はいくら?

実家じまいをすると決めた場合、最初に行うべきは実家の片付けです。実家を売却するにせよ、貸すにせよ、家の中の荷物を片付けなければ始まりません。
大量にある実家の荷物を業者に依頼した場合の費用感はどの程度でしょうか。
実家まるごと片付けに払った費用は10~100万円
実家の荷物の片付けは、荷物の多さ、間取りや広さ、買取りできる不要品の有無で費用が変わります。
実家の片付けにかかった費用について、週刊東洋経済が男女811名(回答数541)に行ったアンケート調査では、約半数の人が30万円未満という結果になりました。
しかし、6.1%の人が100万円以上の費用がかかったという結果もでています。100万円以上かかるケースは通常の片付けだけでなく、次のような事情があったケースと推測されます。
- 実家がゴミ屋敷状態になっていた
- 一般的な間取りより広く、庭や倉庫にも大量の荷物がある
- 特殊な清掃が必要になった
- 大型家具などを2階から吊り下ろした
- 悪徳業者にぼったくられた
出典:週刊東洋経済「実家の片付け独自アンケート」
実家の片付けを業者に依頼40万円
あの、家の中綺麗さっぱりなにもない処分は業者さん技
— サリダ (@marroncharger) August 19, 2021
実家を思い出す
売却価格から40万処分代として差し引かれた
高いとは思わなかった
とてもお願いせねばできなかったし
自分の身銭を支払うのではなくて差し引かれるだけだったから
「お願いしなければできなかった」と言われているので、実際に自分で実家の片付けを行っていたら年単位の時間がかかるパターンですね。
1年を40万円で買ったと思うと確かに高くは感じません。
実家の片付け業者費用50万円
@minamikyo ちなみに引越し自体は実家の団地丸々明け渡さなきゃ行けなくて片付け業者に依頼したから50万吹っ飛んだよ……
— たまき (@_bluefilm_) November 25, 2015
団地だとエレベーターがない場合がほとんどなので、階数が上がれば片付け費用も高くなります。
何階のお部屋だったのか気になるところです。
実家の片付けには3ヶ月必要?経験者の平均は?

実家の荷物の片付け、処分にはどの程度の時間がかかるのでしょうか。
株式会社アンビシャスが行ったアンケート結果をもとに、自分たちで片付けを行う場合と業者に依頼した場合を比較します。
実家の片付けを自分たちでした場合
実家の片付けを業者に頼まず自力で行った場合、約30%が数ヶ月(半年未満)、残り70%は半年以上かかっています。そして、実に約27%の人が1~2年以上の時間がかかっているようです。
毎日片付けをしたわけではないと思いますが、年単位での片付けは考えただけでもつらいですね。
出典:株式会社アンビシャス
実家の片付けに時間がかかってしまった要因
実家の片付けに予想以上に時間がかかってしまったのは、下記の原因が挙げられます。
- 貴重品、大切なものがどこにあるのかわからず手間がかかる
- 思い出に浸ってしまい、手が止まる
- 親が何を大切にしていたのかわからず、残すものの判断がつかない
- 体力的・精神的に厳しく、長時間連続でできない
- ゴミ回収日のスケジュールで一気に片付かない
- 相続放棄を検討していたため手をつけられなかった
これらの原因を理解し、いざ自分たちで実家じまいを行う場合は、できる限り原因をつぶして早めに行えるようにするとよいでしょう。
実家の片付けを業者に依頼した場合
実家の片付けを業者に依頼した場合、作業日数は通常1日、荷物が多く家が広いなどの場合でも2日あれば完了することがほとんどです。
自分たちで行った場合は1年以上かかってしまう可能性を考えると、早く実家じまいをしたい場合には、多少の費用がかかったとしても片付け業者の利用を積極的に検討しましょう。
実家の片付けを業者に頼んだ方が良いケース

実家の片付けは、業者に依頼すれば1~2日で片付きます。
費用はかかりますが、それでも業者に依頼すべきケースがあります。
親が高齢
親が健在の場合でも、高齢者には実家の片付けが厳しいケースが多いでしょう。
体力の低下や、判断力の低下、ものを捨てられない傾向が強いなどの場合には業者への依頼がおすすめです。
親世代では、実家の片付けを費用をかけてまで行うことに抵抗がある人もいるでしょう。しかし、無理をして高所から落ちたり、つまづき転倒するなどのケガをしてしまっては元も子もありません。
実家が遠方
片付けをすべき実家が遠方の場合も業者への依頼をおすすめします。
この場合には移動時間と移動費用が片付けのたびに必要となります。せっかく遠くからきて作業を行っても、1日に片付け作業をする時間には限界があります。
粗大ゴミの回収日にあわせて作業をする必要も出てくるため、実家の片付けは長期化してしまいます。そのため、実家が遠方の場合もできる限り業者を利用しましょう。
物が多い
実家の荷物があまりにも多い場合、思い切って片付け業者に依頼をしましょう。
もの(荷物)は分別するだけでも時間がかかるので、遺品となればなおさらです。人の手を借りることで、気持ちが紛れるというメリットもあります。
精神的にきつい
親が亡くなった後の実家の片付けは、様々な感情や思い出が溢れ、精神的につらくなってしまうことも多いはずです。
相続手続きなどはやることが多いため、片付けは無理をせずに業者に助けてもらうとよいでしょう。
売却が決まっている
売却が決まっている場合には焦って何もかも捨ててしまい、あとで後悔したり、親族とトラブルになったりするケースがあります。
想定以上に時間がかかり、結局はギリギリで慌てて業者に依頼するケースを目にしてきました。
「住まない実家は相続してはいけない」というのは本当?

空き家が増えてきている今、よく耳にする「住まない実家は相続してはいけない」という言葉。
こう言われる背景には、次のような理由があります。
- 住まない実家でも固定資産税、場合によっては相続税などの税負担がある
- 住まない空き家を管理するコストや手間がかかる
- 不動産によっては手放したくても売れない場合があるため、将来的に配偶者や子、兄弟に負担がかかる
ただし、実家には住まないから相続放棄するという、単純な問題ではありません。
相続放棄してしまえば他の財産も相続できませんし、相続放棄は親族を巻き込むことになるため事前に相談も必要です。
しかし、たとえ住まない実家でも売れるのであれば相続しない理由はありませんよね。
そのため売れるかどうかその時まで待つのではなく、相続が開始する前に不動産の一括査定のサイトで「売れる不動産なのか」を確認をしましょう。
複数の会社から査定を受けることができるので売却の可能性も分かりますし、売却価格の目安もつきます。
もし売却が難しそうな実家でも、「家いちば」や「0円物件」などのサービスを利用すれば、買主が見つかるケースもあります。
それでも空き家が売れる目星がつかなければ、遺産分割で不動産を引き継がないよう話をつけるか、相続放棄をするかを検討しましょう。
実家じまい・実家の片付け業者の5業種

ここからは、実家じまいを助けてくれる片付け業者の5業種をご紹介します。
- 不用品回収業者
- 便利屋
- ゴミ屋敷片付け業者
- 遺品整理業者
- 家事代行業者
①不用品回収業者
- 物単位での単品回収とトラックに積み放題のプランがある
- ゴミの分別が不要
- 解体できないおおきな家具も解体不要
- 大きな家具の回収だけなどスポット依頼を検討している人
- ものの分別をしたくない人
②便利屋
- 依頼者の様々な要望に対応
- 対応範囲が広い
- 軽作業から力仕事まで依頼できる
- イレギュラーなお願いがある人
- かゆいところに届く手が必要な人
- ピンポイントでお願いしたいことがある人
③ゴミ屋敷片付け業者
足のふみ場のないゴミ屋敷の片付けを得意とする業種です。
- 大量の荷物の処分を数人でスピーディーに行う
- ゴミ屋敷の片付けの実績が豊富
- ゴミ・荷物放置による汚れや匂いも清掃・消臭可能
- 急いで大量の荷物を処分したい人
- 部屋の汚れや匂いが気になる人
- 散らかってる部屋を見せるのが恥ずかしい人
④遺品整理業者
- 遺品の選別、貴重品の探索も業務に含まれる
- ものを遺品として丁寧に扱ってもらえる
- 遺族に寄り添った対応をしてもらえる
- ものを大切に扱ってほしい人
- 親族を亡くした気持ちを察して欲しい人
- 遺品の分別を任せたい人
⑤家事代行業者
- 家事を中心として幅広い軽作業業務を行う
- 2時間○○円という料金体系が多く費用が明確
- 家事代行業務とは別に遺品整理部門を設ける会社もある
- 時間単位で軽作業を依頼したい人
- メインの作業は自分でできる人
一軒家の片付けにおすすめの業者は?
一軒まるごと片付ける場合には不用品回収業者・ゴミ屋敷片付け業者など、大量の荷物の処分になれている業者に依頼するのがよいでしょう。
遺品を大切に扱って処分してほしい場合や貴重品の場所がわからず捜索して欲しい場合には、遺品整理業者を利用しましょう。
荷物の分別作業だけ依頼する場合やごみの運び出しだけ依頼したい場合には、家事代行業務や便利屋を選ぶと費用も抑えることが可能です。
不用品買取に対応している業者は?

業者に依頼する場合には買取可能や買取に強い業者を選ぶと、片付け代金より買取額が差し引かれ費用を抑えることが可能です。
調査したところ、前述した5業種すべてで買取サービスも行っています。会社ごとに買取の可否は変わるため、気になる会社へ直接確認をしてみましょう。
不用品回収業者の選び方
不用品回収業者を選ぶとき、何を基準にしたらいいのでしょう。
多くの人は費用の安さを基準に選ぶのではないでしょうか。
最終的な目的は、不用品(ゴミ)を回収してもらえらばいいだけなので、必然的に安いところでいいとなりがちです。
しかし、残念ながら不要品回収業者には違法業者・悪徳業者が存在し、トラブルの報告も多く上がっているのが現状です。
優良な不用品回収業者を選ぶためには以下の点を確認しましょう。
- 一般廃棄収集運搬許可をもっている、又は一般廃棄物収集運搬許可をもつ業者と連携している(産業廃棄物運搬許可ではない点に注意)
- 現地見積もりを行ってくれる
- 見積り内容、キャンセル料が明確である
- 追加料金の有無を説明してくれる
- 買取対応業者の場合、古物商の許可がある
つい目が行ってしまう「無料回収」「格安回収」などを謳っている不要品回収業者にひっかからないようにご注意ください。
遺品整理業者の選び方
遺品整理業者は、ここ10年程で数が増えた新たな業態です。
令和2年に行われた総務省行政評価局の調査によれば、家事代行業者や不用品回収業者などが、遺品整理業務部門を新たに設けるケースも増えています。
遺品整理業者の数は増えていますが、まだ法整備も整っているとは言えないためトラブルも発生しています。とはいえ、遺品を大切に扱ってもらえる遺品整理業者に依頼をしたい人も多いはずです。
そこで遺品整理業者に依頼をする場合は、前述の不要品回収業者の選び方の確認すべき点にプラスして次の項目も確認をしましょう。
- ホームページ、Twitterなどでその会社の方針・信念もチェックする
- 遺品整理業としての実績、創業からの年数も確認できれば安心
出典:令和2年 総務省行政評価局 遺産整理のサービスをめぐる現状に関する調査報告書
特に遺品整理業者へ依頼する人は、モノを遺品として丁寧に扱ってほしいという願いが少なからずあるはずです。
期待外れの結果を防ぐためには、ホームページなどで遺品整理業としての実績や遺品に対しての業者のスタンスを確認をすることは重要です。
実家じまい・実家の片付けに関するトラブル事例

残念ながら、業者の中には悪徳業者も存在しています。
トラブル1:不用品無料回収のはずが6万円の請求
国民生活センターに寄せられたトラブル事例です。
「無料」とアナウンスしながらトラックで巡回している業者を呼び止め、廃品回収を依頼した。作業前に、無料であることを確認したが、不用品を軽トラックに積み終えたとたんに6万円を請求された。話が違うと抗議したが、「回収代金は無料だが、積み込み料金は発生する」と言われた。しつこく請求されたので、仕方なく手持ちの3千円だけ支払った。残金は近いうちに取りに行くと言われたが、支払わなければいけないのか。領収証もないし、業者の住所や電話番号もわからない。(60歳代 女性)
引用元:独立行政法人国民生活センター メールマガジン第254号
トラブル2:廃品回収代金8万円のはずが47万円の請求
他県に住む親がチラシを見て、廃品回収を事業者に依頼した。チラシには「廃品回収代金が8万円」と書かれていたが、実際には47万円請求され、支払ってしまった。(当事者:80歳代 男性)
引用元:独立行政法人国民生活センター メールマガジン第317号
トラブル3:遺品整理中に1,100万円を窃盗
島根県で遺品整理を請け負った男が、遺品整理作業中にタンス預金を発見し、1,100万円をネコババした事件です。依頼者は都内に住む男性で、島根の空き家で母親の遺品整理を依頼していました。犯人は懲役2年6月、執行猶予5年の有罪判決を受けています。
参考:読売新聞オンライン
トラブル事例からみる業者選びのコツ

3件のトラブル事例を紹介しました。
全国のトラブル事例を調査したところ、費用トラブル、不法投棄トラブル、買取のトラブルが目立ちます。
トラブルに巻き込まれないようにするには、依頼時の見極めが重要です。
悪質業者の見極め方
片付けを業者に依頼しトラブルが起こった事例を分析すると、圧倒的に多いのが料金トラブルです。
次点でゴミの不法投棄があげられます。
トラブル防止には、トラブルが起こる根本的な原因を無くすことが重要です。
具体的には、次の点を確認し、悪徳業者ではないのかを見極めることができます。
- 見積書の発行はされるのか(見積書の内容も要確認)
- 見積書の発行がない場合は、後出しで高額請求をされる恐れがある
- 契約書が作成されるのか確認
- 今は契約書作成をするのが一般的
- 契約書がないイコール悪徳業者ではないが避けた方がベター
- 見積書や契約書、ホームページ等に会社の住所や固定電話の記載があるかを確認
- 所在地の記載がなく、携帯番号しか連絡先がない場合も避けるのがベター
- 「買取をします」と宣伝しているが古物商の許可を取っていない
- 公式ホームページがなく所在が確認できない
片付け業者のトラブル防止策
- 訪問見積りを依頼し、追加料金やキャンセル料の有無を確認する
- 一般廃棄物収集運搬許可がある、又は許可業者と連携している
- 買取をする業者の場合は古物商許可があるか確認する
- 見積時、作業時は念のため立会をする(男性に同席してもらうと安心)
- インターネットで口コミを調べる
- 無料回収を謳う業者には依頼しない
- 格安業者の依頼もトラブルが多いことに留意する
- 親世代が依頼をする場合は、子どもが見積りや契約内容を確認する
一般廃棄物収集運搬許可をもつ業者はレア
何度か登場した「一般廃棄物収集運搬許可」ですが、実はこの許可を取るのは現状とても難しいものなのです。
市町村が許可を出すのですが、各市町村の廃棄物の処理計画で許可が制限されているため、一般廃棄物収集運搬許可をもつ業者はレアです。
また、一般廃棄物収集運搬許可をもつ業者と連携している業者も違法ではありませんので、安心して依頼しましょう。
実家じまいを依頼する場合には、一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者に依頼するか、一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者と連携している業者に依頼するのが望ましいでしょう。
一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者は下記の記事で紹介しているので、ぜひ本記事と併せてご覧ください。
一般廃棄物収集運搬許可を持っている業者(準備中)
トラブルがあった際の相談先
事前に聞いていた費用と違い高額請求をされた場合は、支払わないのが原則です。
身の危険を感じる場合は警察
作業員に高額請求をせまられ、身の危険を感じる場合には警察に連絡をしましょう。
もしもの時に1人で対応するのが怖いという場合には、作業時には1人で立会わず、男性も一緒に立ち会ってもらうのがベストです。
消費者センターで相談
トラブルにあってしまった場合は、消費者センターで相談を受けてもらえます。
- 消費者ホットライン:局番なしの188
ただし相談や助言を受けることはできますが、払ってしまったお金が返ってくるかというと現実的には難しいでしょう。
そのため、事前の費用の確認や追加料金、キャンセル料の確認はしっかり行うことが大切です。
まとめ
空き家になった実家の片付けは、想像以上に時間と手間がかかります。
特に、実家が遠方の場合や親世代が片付けをする場合には苦労が多く、実家じまいが頓挫してしまう可能性が高くなります。上手に業者を利用して、負担を減らしていきましょう。
空き家の片付け、遺品整理に対応する業者は種類も数も豊富です。ただし、優良業者も多く存在する一方で、悲しいことに悪徳業者も存在します。
本記事の業者の見極め方を参考にしていただき、悪徳業者に依頼することのないようにしてください。