実家じまい時に仏壇はどうする?処分して良いかの判断基準を解説

仏壇

実はお仏壇の管理や、維持・処分方法に悩んでいる人は少なくありません。

  • 処分していいのか迷う。
  • でも大きくて置けるスペースがない。

お仏壇は電化製品や家具とは違い、気軽に処分や移動ができません。

どうしたらよいのかわからないまま、空き家となった実家に、お仏壇やお位牌をそのままにしている人も少なくないでしょう。

そこで本記事では、お仏壇の適切な供養のしかた、実家のお仏壇の移動方法や処分方法とその費用を解説します。さらにひとりっ子のお仏壇の引き継ぎ問題についての解決法も説明します。

目次

親が亡くなったら仏壇はどうする?

悩む家族

親が大切にしていたお仏壇も、親が亡くなった途端、悩みのたねになることがあります。というのも、現代は宗教離れが進み、自分の家の宗派も知らないことも珍しくなく、仏壇の扱いに戸惑ってしまうのです。

お仏壇を引き継がず、処分する人が増えたのは、次のような背景があります。

仏壇じまい?仏壇処分をするケースが増えてきた背景
  • 宗教離れ、お仏壇に思い入れがない
  • 現代の日本は無宗教の人が6割とも言われています。実家にはお仏壇があったものの、特にお仏壇の必要性を感じていないケース
  • ひとりっ子同士の結婚で、既に嫁ぎ先にお仏壇があるケース
  • そもそも置くスペースがない
  • 子供に負担をかけたくない
仏壇に関しての意識調査2020年9月実施アンケート
出典:リセット愛知 仏壇に関しての意識調査2020年9月実施アンケート
※インターネット上でのアンケート 調査人数:20~60代の男女371名

お仏壇を放置?空き家のお仏壇管理は大変

仏壇

空き家においてあるお仏壇、適切に管理ができているケースもあれば、現実的に管理、お手入れが難しいことも。

他の人はどうしているのでしょうか。

実家のお仏壇を心配するケース

仏壇のために空き家を維持するケースも

特に田舎では、立派なお仏壇があるため空き家を維持するようなケースもあります。

近場ならまだしも、遠方に空き家の実家がある場合は、仏壇に手を合わせたくてもかなわず、気がかりになってしまっている人も多いのではないでしょうか。

地方で仏壇を残しているケース

賃貸収入を得るために貸し出しているケース

ひとまず仏壇は残したいケース

https://twitter.com/Yonesaki_Ringo/status/1565545368732909568?ref_src=twsrc%5Etfw

やはり仏壇は神聖なものと考えられ、処分するのはハードルが高い様子がうかがえますね。

実家の仏壇は処分しても良いの?風水的なNGは?

悩む夫婦

空き家になった実家の仏壇、いつもこころに引っかかっていませんか?

仏壇を処分したくても罰当たりな行為に思えて手を付けられない方もいるでしょう。風水の観点からいえば、ホコリをかぶりカビ臭い部屋に放置するのはNGです。

そんな状態にしておくのはご自身も気がかりでしょう。

放置されている仏壇は、供養をして頂き、明るく風通しのよい、皆が手を合わせられる場所に移動しましょう。スペース的に移動が難しい場合は、コンパクトな仏壇を設置する方法もあります。

人によっては、仏壇をおけない事情もあるでしょう。それは個人が判断すればよいもので、強制されるものでもありません。大切なことは仏壇のあるなしよりも、ご先祖様に感謝を忘れない心がけではないでしょうか。

実家の仏壇の処分する手順と費用

電卓でリサーチ

仏壇を処分する時には、一般的にはお坊さんに供養をして頂きます。

供養の方法と、供養後6つの処分方法を紹介します。

閉眼供養とは?費用相場は3万前後

仏壇を新たに設置したときには開眼供養を行い、仏壇に魂を宿し、礼拝の場とします。仏壇を移動、処分する前には反対に閉眼供養を行い、仏壇から魂を抜き、感謝を伝えます。

閉眼供養は宗派により、以下のように呼ばれます。

  • 「魂抜き」
  • 「お性根抜き」
  • 「閉眼供養」

閉眼供養の依頼はお寺に早めのタイミングで依頼をしましょう。

費用は1万円~5万円の範囲が一般的です。遠方からお坊さんがいらっしゃる場合は車代も併せて渡します。

お世話になっているお坊さんがいない場合は

宗教離れに伴い、菩提寺がなく、お坊さんとの接点がない人も増えています。また閉眼供養の費用は「お布施」として渡すため、明確な金額提示がないため困惑する人もいるでしょう。

そんな人にはお坊さんを派遣してくれる「お坊さん便」をおすすめします。

お坊さん便のメリット
  • 定額で供養をしてもらえる【閉眼供養は総額35,000円(初回利用時)】
  • Webから予約が出来る
  • 主要な宗派に対応している
  • クレジットカード払いも可能

自分で処分

閉眼供養を終えると、仏壇は魂が抜け、礼拝の場ではなく家具となります。

自治体で粗大ゴミとして回収して貰うのが最も安価な方法でしょう。費用は自治体によりますが1,000~2,000円程度と考えましょう。

またゴミの処理センターへの持ち込みも可能な場合もありますので、役所に確認をしましょう。

スクロールできます
メリット・安価に処分できること。
(お坊さん便を利用した閉眼供養+自分で処分の場合は36,000円~37,000円程度)
デメリット・粗大ゴミの回収日にしか処分できない。
(高齢の方が目にすると、不愉快にさせる可能性がある)

お寺に依頼

閉眼供養と一緒に仏壇の処分も依頼できる場合があります。

菩提寺がある場合は菩提寺に、菩提寺がない場合は、宗派の同じお寺に依頼をします。

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メリット・安心感がある。
・閉眼供養と一緒に依頼できる。
デメリット・費用が明確でないケースが多い。(相場は閉眼供養とあわせて5万~10万円前後)
・お仏壇を持込む必要があるケースが多い。

仏具店に依頼

お仏壇を新たに買い換える時には、仏具店に処分を依頼できます。新たに購入をしなくても処分だけでも受けてくれる仏具店もあります。

またお寺と違い、宗派を気にする必要がありません。

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メリット・閉眼供養と一緒に依頼できるケースが多い。
・新たにお仏壇を購入する時には便利。
・お仏壇を自分で運びこむと安くなる仏具店もある
デメリット・処分だけを依頼する場合は割高。

お仏壇のはせがわを参考にすると、処分のみの場合サイズによって49,500~79,200円(税込)、買い替えの場合は19,800円(税込)です。

仏壇処分・移動専門業者に依頼

お仏壇の処分、移動のみに特化した業者です。閉眼供養から処分まで一括で依頼ができます。

お坊さんが運営している豊恩のような仏壇処分サービスも登場しています。

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メリット・お仏壇の回収の前に、閉眼供養を行ってもらえる。
・お仏壇の専門なので安心感がある。
デメリット・相場は25,000円から8万円程度。

遺品整理業者に依頼

遺品整理を行う中で同時にお仏壇も処分します。

あらためて手配をしなくて良いので依頼者の負担は少ないでしょう。

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メリット・遺品整理と一括で依頼できるのでラク。
・費用は遺品整理の費用に含まれることが多い。
デメリット・お仏壇を運び出してからの供養になるケースが多い。

不用品回収業者に依頼

不用品回収業者でも仏壇の処分は行っています。

閉眼供養をしていない状態では回収してもらえないこともあるため、事前に問い合わせをしましょう。

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メリット・閉眼供養は自分で手配をする必要がある。
デメリット・お閉眼供養を一括で依頼できる場合も運び出してからの供養となる。

お仏壇処分時の注意点

お仏壇には中には証書や金品、大切な手紙などを保管しているケースもあります。

処分の前に、必ず全ての引き出しを確認しましょう。

実家の仏壇を移動する手順と費用

電卓を打つ手元

実家から自宅へお仏壇を移動するケース、知らなければそのまま移動してしまいそうですが、実は移動でも供養が必要なのです。

閉眼供養

お仏壇を処分するときと同様に、移動をする前にも閉眼供養を行います。

依頼先は処分する場合での解説をご確認ください。

開眼供養

自宅に到着したお仏壇は、移動前に閉眼供養をしたため家具同様の状態です。ここで新たに魂を入れる開眼供養を行います。

  • 寺に直接依頼した場合の閉眼供養の費用相場1~5万円+お車代
  • お坊さん便に依頼した場合の総額35,000円

お仏壇処分後のお位牌はどうすればよいのか?

位牌

お仏壇の処分時にお位牌はどうしたらよいのでしょうか。

お位牌は次の3つの方法で管理または処分をします。

位牌も仏壇と一緒に処分する

お位牌の処分をするときは、お仏壇の処分と一緒にします。

お位牌の処分の前にもお位牌の閉眼供養を忘れずにしましょう。

お位牌のみ自宅で祀る

お仏壇は処分してもお位牌だけは自宅で祀ることも可能です。

安置する場所としては、リビングや寝室などの風通しのよい場所、逆に玄関や水回り付近を避けます。

一時的に預ける

お位牌をどうしようか迷う場合などには、お寺に一時的に預かってもらうことができます。月単位もしくは年単位で預けられるので、お寺に連絡をしてみましょう。

費用は年間1~3万円程度です。

永代供養する

お位牌をお寺で供養・管理をしてもらう方法です。

永代供養といっても永遠に供養をお願いできるわけではないので注意しましょう。33回忌までがひとつの区切りとなります。

お位牌を合同で永代供養する場合は5万円前後ですが、個別に永代供養をして貰う場合は10~50万円程度の費用がかかります。

お寺によって費用の幅が大きいため、永代供養を考える場合は問い合わせは必須です。

実家の仏壇を継ぐのは長男?

悩む男性

両親が亡くなってしまったとき、実家のお仏壇は誰が引き継ぐものでしょうか。お仏壇は相続財産とはならず、祭祀財産と呼ばれます。

祭祀財産は相続財産とはならないため、遺産分割で承継者を決めるわけではないのです。

お仏壇は長男・長女だからといって引き継ぐ義務はない

お仏壇やお墓のような祭祀財産は、長男、長女が継ぐといった法的なきまりはありません。

意外に思う人もいるかもしれませんね。極端なことをいえば、内縁の妻がお仏壇を引き継ぐことだって不可能ではありません。

お仏壇を引き継ぐ優先順位は?

お仏壇やお墓などの祭祀財産に関する権利の承継に関しては、民法で次のように定められています。

  • 遺言で定められた人
  • 習慣・親族間での話し合い
  • 家庭裁判所

参考:民法897条 祭祀に関する権利の承継

遺言で定められている場合はそれに従いますが、遺言がない、指定がされていない場合には、習慣や親族間での話し合いをします。

家庭裁判所に決めてもらうことは通常あまりなく、親族間の話し合いで決定します。

ひとりっ子が頭を悩ますお仏壇

悩んでいる男性

少子化によりひとりっ子同士の結婚も珍しくはありません。

そんなひとりっ子同士で結婚した人が頭を悩ますのがお墓、お仏壇の承継です。

将来のお仏壇の引き継ぎに悩むケース

お墓もお仏壇も2つで悩むひとりっ子のケース

ひとりっこ・ひとり娘でもお仏壇は継げる

1.嫁いだ先に既に仏壇がある・将来仏壇を引き継ぐ予定

嫁いだ先に既に仏壇がある場合や、将来的にご主人側のお仏壇を引き継ぐ予定の場合は注意をしましょう。同じ仏教であっても日本には伝統的な宗派だけでも13宗あり、それぞれお仏壇の飾り方やお作法も異なります。

宗派の違うお仏壇を並べたり、ひとつにまとめることに否定的な考えを持つ人も少なくありません。そのため夫婦でしっかりと話し合いをすることが大切です。

具体的には次のような方法でお仏壇を置きます。

  1. どちらかのお仏壇を処分、残すお仏壇にお位牌をまとめる
  2. どちらのお仏壇も処分し、新しいお仏壇にお位牌をまとめる
  3. それぞれのお仏壇を別の部屋に置く

2.夫がお仏壇を引き継いでいない、引き継がないケース

この場合は特に問題はなくスムーズです。夫とお仏壇の設置場所などの相談をしましょう。

スペース的に設置が難しい場合は、コンパクトなお仏壇に買い換えてもよいでしょう。

自分の子どもがひとりっ子の場合

自分の子どもがひとりっ子の場合はやはり同じように頭を悩ませることになるでしょう。

そういったケースでは、どちらのお仏壇も処分し、お位牌のみをご供養する方法も考えられます。

まとめ

仏壇

空き家に置かれたお仏壇の管理の難しさと、移動・処分の方法をお伝えしました。

今後ますます人口が減っていくなか、お仏壇やお墓の問題もますます深刻化していきます。今後の世代のためにも今考えてみましょう。

適切に管理ができない実家のお仏壇が気がかりならば、しっかりと供養をして、移動・処分をすることも考えてみてください。

最近では、インテリア風のお仏壇や、コンパクトなお仏壇もあるので、移動を機に、そういったお仏壇に変えてみるのもよいでしょう。

ホコリをかぶったまま、カビ臭い部屋に放置するのは、ご先祖様にも失礼にあたります。移動・処分の際は、感謝を込めて供養を忘れずに行いましょう。

閉眼供養をお願いできるお坊さんとの接点がない人には「お坊さん便」の利用をおすすめします。Webでお坊さんに依頼が出来るなんて、時代はかわりましたね。

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