不動産買取の注意点は?手数料や買い取り前のリフォームも解説

不動産買取の注意点は?手数料や買い取り前のリフォームも解説

「不動産買取で特に注意すべきことは?」

「不動産買取でも仲介手数料が必要と言われたんだけど。。。」

不動産の売却は仲介で売ることが一般的です。そのため不動産買取で売却した知り合いもおらず、不動産買取はよくわからないという人も多いものです。

不動産買取は、不動産買取業者が売主から直接不動産を買い取ります。買取業者という不動産のプロとの直接やりとりになるため、事前にその流れや注意点を知っておくことが大切です。

本記事では不動産買取の注意点について解説します。

  • 不動産買取の買取価格が市場価格より安くなる理由
  • 動産買取で安く買い叩かれないための対処法
  • 動産買取でも仲介手数料がかかるケース
  • 手離れ良く不動産を売却する秘訣
  • 不動産買取で必要な売却費用
  • 不動産買取の入金のタイミングは?

記事後半では不動産買取のトラブル事例についても紹介します。

認知度がそこまで高くない不動産買取ですが、注意すべき点がわかれば安心して取引を進めていけるようになります。

元司法書士の経験から不動産買取のメリットを活かすために必要なことについても解説します。

目次

不動産買取のしくみは?買取価格が安くなる理由を解説

不動産買取のしくみは?

不動産買取は、仲介による売却に比べ認知度が低いかもしれません。ここでは簡単に不動産買取の仕組みと買取価格の内訳について解説します。

不動産買取と仲介のちがい

不動産買取とは、不動産買取業者が売主から直接物件を買う形態の売買です。一方で、仲介による売却は、仲介業者が見つけた買主に(エンドユーザー)と売買をする形態になります。

不動産買取と仲介の違い

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方法買主対象売却方法現金化までの期間売却価格の相場
買取買取業者直接販売のためなし1週間~1ヶ月程度市場相場の6~8割
仲介メインは個人Web、紙媒体、
看板、折込など
3ヶ月~売れるまで市場相場
仲介と不動産買取の違い

不動産買取と仲介のメリット・デメリット

不動産買取と仲介のメリットとデメリットは次のとおりです。ザックリいうとこんな感じです。

仲介=時間がかかっても、少しでも高く売りたい

買取=安くなっても手間なく、手離れよくスピーディーに現金化したい

仲介、買取どっちが良いという話ではありません。自分や売却不動産の状況に合う売却方法を選択しましょう。

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売却方法メリットデメリット
買取・スピーディーな現金化
契約不適合責任の免責が一般的
仲介手数料が不要
・内見の対応が不要
・荷物を置いたまま引渡し可能
(※買取業者による)
買取価格は市場価格の6割~8割
・買取相場が把握しにくい
・業者選びが難しい
仲介相場価格で売れる可能性が高い
・物件によっては相場以上で売れる
売却に時間がかかる
・仲介手数料がかかり手取額が減る
・周囲に売却することがバレる
・3ヵ月程度の契約不適合責任を負うことが一般的
仲介と不動産買取のメリットとデメリット

買取価格はなぜ市場価格より低い?

不動産買取の一番のデメリットである買取価格が安いこと。なぜ買取価格は市場価格より低くなってしまうのでしょうか。

不動産買取業者、特に古い物件を買い取る業者は、買い取った不動産をリフォームし、付加価値を付けてエンドユーザー向けに再販します。

再販時には、市場価格で売ることになるため、市場価格で買い取りをしていては赤字になってしまうのです。

不動産買取の価格のイメージ

上記の図のとおり、再販時に予想される市場価格から、次の費用を差し引いたのが買取価格になります。

【買取の経費】
登記費用
不動産取得税
売買契約時の印紙代
固定資産税・都市計画税
リフォーム費用
再販時の仲介手数料
ローンの金利
【業者利益】
不動産買取業者の利益は再販価格の15%~20%程度が相場といわれています。

こういった理由で買取価格は市場価格(相場価格)の6~8割程度になるのです。

ただし、全ての不動産の買取価格が6~8割になるわけではありません。

東京都内など需要が高いエリアの物件では、買取を成約させるため買取価格をあげることもあれば、需要の低いエリアでは買取価格を低くして再販時の売れないリスク回避をすることもあります。

もっとも、需要のないエリアの不動産はどうリフォームしても売ることが難しいため、買取自体をしないということも当然あり得ます。

不動産買取の注意点

不動産買取の注意点

不動産買取による売却は仲介に比べ、馴染みがないという方も多いでしょう。ここでは不動産買取による売却の注意点を解説します。

安く買い叩かれるリスクがある

不動産買取は市場価格(相場価格)の6~8割の買取価格になることが一般的と先述しました。

しかし、買取業者の中にはさらに安い価格で買い叩こうとする業者も存在します。相手はプロですので、それらしい理由をつけてくるでしょう。

【対処法】
①市場価格の把握
②複数の買取業者への査定依頼

買い叩かれないようにするためには、事前に市場価格を把握することです。市場価格の調べ方はこちらの記事で詳しく解説しています。

市場価格を把握したうえで、複数の買取業者に買取査定を依頼することも大切です。

不動産買取業者にも得意なエリアがあります。買取査定額にブレがでることは普通にあります。さらに物件状況・立地・需要により高めの査定額が出る場合もあれば、低い査定額になることもあります。

妥当な査定額であるのかを判断するには、複数社の査定を受けることが必須です。

仲介手数料がかかるケースがある

不動産買取のメリットのひとつに、仲介手数料がかからない点があります。

しかし、仲介手数料が必要になるケースがあることに注意が必要です。どのようなケースに仲介手数料が必要になるのでしょうか。

仲介手数料がかかるのは下の図の左のパターンです。

仲介手数料がかかるケース

不動産買取での売却を決めているのであれば、売主は不動産買取業者に直接コンタクトをとれば仲介手数料はかかりません。不動産買取で売ると決めているのに、仲介業者にコンタクトをしてしまえば、仲介手数料がかかる取引になってしまので注意しましょう。

【対処法】
①買取と決めているのなら不動産買取業者に直接コンタクトをとる
②買取専門の一括査定サイトを利用する

不動産買取であっても売却費用は必要

不動産買取での売却であっても仲介手数料以外の売却費用は、仲介での売却と同様に必要です。売却に必要な費用の代表的なものは、次の費用になりますので確認しておきましょう。

【不動産買取の売却費用】

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費用金額目安内容
印紙代0円~最大48万円(軽減措置)売買契約時に契約書に貼付
抵当権抹消登記費用不動産の数×1,000円+司法書士報酬
=20,000円~30,000円程度
登記事項証明書に記載された住所と、現在の住所が異なるとき
住所変更登記費用不動産の数×1,000円+司法書士報酬=10,000円~20,000円程度登記事項証明書に記載された住所と、現在の住所が異なるとき
相続時費用司法書士報酬=
80,000円~150,000円程度
登録免許税等の実費は別
相続した不動産の相続登記が未了の場
住宅ローンの一括返済手数料10,000円~50,000住宅ローンを利用している場合
金額は金融機関により異なる
測量費用隣地が民間の所有地 30~60万/100㎡
隣地が国・自治体の所有地 50~80万/㎡
場合によって必要なケースあり。買取業者にもよる
譲渡所得税保有期間5年以下=譲渡所得×39.63%
5年超え=譲渡所得×20.315%
利益が出た場合に課税

上記の表のなかで不動産買取でも必ず必要になる費用は『印紙代(印紙税)』です。
参照:不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁

その他の費用の概要についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

契約時には契約不適合責任の免責を確認

不動産買取は、手離れよく売却できるのもメリットのひとつです。

手離れよく売却するには、契約不適合責任が免責となっていることか超重要です。不動産買取では契約不適合責任が免責になることが一般的です。

しかし、中には「一般の人ならわからないだろう」と契約不適合責任を免責にせず、契約を交わす業者も存在します。

この場合は要注意です。売った後に高額の補修費用や不具合による減額を請求されてしまう可能性があります。

契約不適合責任の免責は任意のため、免責になっていなかったとしても法的に問題はありません。

手離れの良さ=契約不適合責任の免責と覚えておきましょう。

契約不適合責任とは

売買契約における契約不適合責任とは、契約内容に適合していない物を引き渡した場合に売主が買主に対して負う責任です。買主が売主に請求できる内容は次の内容です。

  • 追完請求(補修や修理)
  • 代金減額請求
  • 催告解除(通知をした後に契約解除する)
  • 催告解除(通知なく契約解除する)
  • 損害賠償請求

具体的な例をあげると、「建物には傾きがある」ということを買主が了承済み、かつ売買契約書に「建物には傾きがある」旨記載されていれば、引き渡し後に、建物の傾きに関しての責任は負いません。

一方、契約書に建物の傾きについて記載をしなければ、引き渡した後に「契約不適合責任」を追及される恐れがあるのです。

相続した実家、特に住んでいなかった実家の不具合を把握するのは困難ですよね。なので契約不適合責任を免責にしてもらえることが重要なのです。

契約不適合責任を免責してもらえれば、引き渡し後のトラブルも防げ、手離れがよいのです。

価格交渉は難易度が高い

不動産買取での買取価格の交渉は難しい傾向にあります。

不動産買取業者は、市場相場を調査を行い、買取経費と自社の利益を計算します。買取物件を仕入れるということは再販時の売れないリスクを抱えることでもあるため、その点も考慮して買取査定額を出しています。

そのため査定額を上げることは、買取業者側のリスクが高くなるため交渉は難しいことが多いでしょう(需要の高いエリアでは話は変わります)。

査定額の交渉をするよりも、初めから高い買取査定額を出してくれる業者に出会えるように、なるべく多くの買取業者に査定依頼をする方がてっとり早いでしょう。

【対処法】
①より多くの不動産買取業者に買取査定を依頼する
②買取査定の一括サイトを利用し、複数の買取業者に買取査定を依頼する

リフォームを行わない

建物をリフォームし、買取価格を上げたいと考える方もいるかもしれませんが、買取で売却するのならリフォームは不要です。

買取業者は再販のプロであり、個人がリフォームを行うよりコスパ良く効率的なリフォームを行うことができます。

せっかく行ったリフォームを反映した買取査定額はでないためリフォームを行うことは控えましょう。

住宅ローン残債の確認

住宅ローンを返済中の不動産の買取りは、引き渡しの際にローンが完済できることが買取の必須条件です。

住宅ローンを使って購入した不動産には抵当権(場合によっては根抵当権)が設定されています。この抵当権を消さない限り、買取業者への引渡しができません

ローンを完済し、抵当権を消すためには次の2点の確認が必要です。

①ローンの残債の額
②買取査定の買取額

買取金額が残債額より高ければ、買取りは可能です。

もし、買取査定額(買取金額)より残債の方が大きければ、自己資金を足してローンを完済する必要があります。

自己資金を足しても完済ができなければ買取での売却はできません。

【対処法】
①ローンを組んだ当初に郵送された返済予定表で残債確認
②ネットバンキングで住宅ローン残債を確認(サービス加入者のみ)
③10月下旬に送られてくる「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」で残債を確認
④住宅ローンの残高証明を依頼し残債を確認
⑤複数の買取業者に買取査定額を出してもらい買取額と残債を比較計算する

ローン完済の連絡を忘れない

不動産買取は通常の不動産売却と異なり引渡までの期間が短いです。(1カ月前後で完了)

住宅ローンを利用している不動産を買取で売却する場合は、引渡日が決まり次第、銀行への連絡を忘れずに行ってください。

これは先述した抵当権を消すために、銀行に書類を用意してもらうためです。ネット銀行の場合は、Web上での手続きが必要になります。

引渡日の連絡を受けた銀行担当者は抵当権を消すための書類の準備を進めてくれます。書類の準備には2週間前後(10営業日~)かかるのが一般的ですが、ネット銀行やフラットでは3~4週間前までの申し出が必要になります。

抵当権を消すための書類(抵当権抹消書類)が引渡日に間に合わなければ、引渡しはできません。引渡日が決まり次第すぐに連絡をしましょう。買取業者の担当者からも案内はあると思いますが、自分でもしっかり把握しておきましょう。

相続登記を忘れない

相続した実家を時間をかけず買取で売却したいという人は特に注意すべきポイント。

相続登記は終わっていますか?

終わっていれば安心です。

相続登記は、登記の専門家の司法書士に依頼をしても、時間がかかるものです。

戸籍の収集から始めるとなれば、登記完了まで早くても2カ月弱程度は必要になることが一般的です。入り組んだ相続関係であればさらに時間がかかります。

スピーディーな現金化という不動産買取のメリットをいかすためにも、親から引き継いだ不動産は早いタイミングで相続登記を行い自己名義に変えておきましょう。

事前に必要書類を集めておく

不動産買取は買主が不動産業者のため、契約・引渡しとスピーディーに進みます。

不動産買取に必要な書類の中には、取得に時間のかかる書類もあります。慌てることがないように、必要書類は事前に集めておきましょう。

不動産買取に必要な書類についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

不動産買取で入金されるのはいつ?

不動産契約

不動産買取のメリットは現金化が早い点があげられますが、入金のタイミングはいつになるのでしょうか。

結論、買取業者によって入金タイミングは変わります。

まず、前提として引渡日=入金日】になることが一般的です。逆に引渡しが終わってから(権利証や印鑑証明書を渡してから)後日入金というのは、詐欺の可能性がかなり高いので気を付けてください。

また契約日=入金日ではないことにも注意しましょう。

不動産買取の入金タイミング
  • 取業者が現金で購入する場合には、訪問査定より最短で1週間前後
  • 買取業者がローンを使い購入する場合には、訪問査定より1カ月前後

で引渡しになることが多いでしょう。

不動産即時買取と買取保証の違い

家と通帳と電卓

不動産買取と一般的に呼ばれるのは「不動産即時買取」のことを指します。

また最近では大手の不動産仲介業者が「買取保証」というサービスを提供しています。ここからは不動産買取保証について解説します。

買取保証とは

不動産買取保証とは、仲介と不動産買取をミックスした形の売却方法です。最初は仲介で売出し、一定期間までに売れなけいれば買取に移行するしくみです。

不動産をなるべく高くうりたいけれど、来年まで売れ残るのは困る。

そんな人のニーズを満たすためにうまれた売却方法です。

ただし、買取保証が適用される不動産は一定水準を満たす物件に限られ、エリア的には首都圏、関西、名古屋などの不動産需要の高いエリアに限定されていることがわかります。

代表的な大手2社の買取保証が適用になる条件の詳細です。

東急リバブル株式会社の売却保証(買取保証)

東急リバブル株式会社の売却保証(買取保証)

出典:リバブル売却保証システム|東急リバブル株式会社

東急リバブル株式会社の売却保証は3か月以上6か月以内の仲介活動で売れなかった場合、同社が買取をするシステムです。

仲介での査定額の90%を上限として、対象不動産の特性や購入・再販費用を考慮して買取額は決定されます。

さらに物件が買取になり、同社が再販し利益が出た場合は利益還元もしていますので良心的です。

野村の仲介+の買取保証

野村の仲介+の買取保証

出典:野村の仲介+公式サイト

野村の仲介+の買取保証でも、利益が出た場合の利益還元を行っています。

さらに仲介で売却期間は最長1年間の確保が可能なので、しっかりとした仲介で売るための活動を期待できます。

なお、2022年10月時点で、過去10年買取はせずに仲介で売却できている点が公式サイトに記載されています。本来の保険のための買取保証といえるでしょう。

迷うなら買取保証を利用すべき?

家の模型と電卓

仲介にするか、買取にするか迷っている場合、買取保証がベストな選択になるのでしょうか。

結論としては、即時買取の買取査定額と買取保証の買取保証額を比較して検討するのがよいでしょう。

買取保証は、仲介で一定期間売れない場合は、買取保証額で買い取られます。仲介で売れなかった時のことも考慮し買取金額で比較をしましょう。

裏をあかせば、買取保証サービスを提供する仲介業者からすれば、仲介で売るよりも労せず買取した方が利益率が高いため、仲介に力をいれず買取に流すことも十分あり得る話です。

最終的な買取価格が即時買取の価格と変わらなければ、時間をかけて安く売ったということにもなりかねないため、買取保証額と買取専門業者の買取査定額を比較することです。

注意点として、買取保証サービスは仲介業者が提供しているので、媒介契約を結ぶ必要があります。

買取保証を受けるための媒介契約は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」に限られます。

専属専任媒介契約や専任媒介契約は複数の業者との契約はできません。また途中で業者を変えようと思っても期間内に変えることは原則できません。

どうしても変更したい場合には、違約金がかかる可能性があるため業者選びは慎重に行いましょう。

不動産買取のトラブル事例

不動産買取のトラブル事例

不動産買取は、仲介業者がはいることなく売主が直接不動産買取業者と取引を進めます。

不動産売却の経験が豊富な方は別として、一般的に個人は不動産取引の経験も知識も豊富ではないことが多く、悪意ある業者の言うことを信じ取引を進めてしまうことになってしまいます。

事前にトラブル事例を知ることで、悪意ある業者によるトラブルに巻き込まれないようにしていきましょう。

トラブル事例①後から買取額の値下げを強要する

高額な買取査定額で興味をひき、契約を結んだ後になんだかんだと難癖をつけ、値下げを強要するパターンです。

査定額の高さも当然重要ですが、買取業者の評判もチェックしましょう。

売買契約書の内容をしっかりとチェックし、契約不適合責任は免責になっているのか、契約後に買取価格が下げられる可能性がないか確認しましょう。

売買契約書案は、依頼すれば契約前にもらえるはずです。

契約書チェックに不安がある場合には、coconala(ココナラ)でも契約書チェックを依頼できる専門家を多数みつけることができます。不動産の契約書のチェックは不動産業務の実務経験・法律知識のどちらも持った人に依頼することが大切です。

契約書に書かれていることだけをチェックするのは比較的簡単ですが、契約に盛り込むべき特約等の助言をするのは、不動産実務を知らないと難しいものです。不動産に強い弁護士、不動産に強い司法書士、現役営業マン(宅地建物取引士)などに依頼するのがおすすめです。

トラブル事例②小切手による詐欺

不動産の代金を小切手で払うと言われた場合には断りましょう

小切手は買主の支払い口座に現金がないと不渡りが発生します。不渡りになった小切手は単なる紙きれなので不動産はもっていかれるのに、お金は手に入らないという事になります。

必ず振込で支払いを要求し、着金の確認が取れてから権利証等を渡すようにしましょう。

同席している司法書士に権利証を事前に渡す場合も、着金されるのが確認できるまでは買主にその場に残ってもらうようにしてくださいね。

トラブル事例③原野商法(測量詐欺)

土地や建物を手放したがっているであろう人が多いエリアで発生している測量費詐欺は、「この原野買いますよ」「山林買い取りますよ」と不動産買取業者を装い近づいてきます。

好条件を提示され不動産の所有者が前向きな姿勢を見せると「不動産の価値を図るため測量が必要です」と測量費用の振込を要求してくるのです。

被害額は1人数十万~300万円にものぼります。測量費用として数十万かかることは一般的ですが、原則測量費用は測量完了後に測量会社から請求がされるものです。

まだ測量もおわっていないのに測量費用を請求された場合は詐欺を疑いましょう。

儲け話は寄ってこないと言われますね。自分から依頼もしていないのに「不動産買取ますよ」と好条件を提示し地数いてきた際は注意してください。

不動産買取のよくある質問

不動産買取のよくある質問

最後に不動産買取についてのよくある質問に回答します。

不動産買取は実家の片付けをしていなくてもOK?

特に相続した実家の遺品整理が済んでいない場合などは、片付けが進みませんよね。

多くの買取業者は、そのままの状態で買取可能です。ただし、処分費用は買取価格から差し引かれます。事前に買取業者の費用がどの程度かかるのか確認しましょう。

自分でも片付け業者から見積もりをとり、コストパフォーマンスの良い片付け業者に依頼をしましょう。

田舎の不動産買取は難しいというけど本当?

たしかに田舎や地方の不動産需要が少ないエリアで通常の仲介での売却は時間がかかってしまったり、不動産仲介業者が積極的に営業してもらえないことがあります。

その時こそ不動産買取での売却の出番です。

不動産買取業者の中には田舎の不動産をはじめ、事故物件や、再建築不可の物件を積極的に買い取る業者が存在します。買取業者によって得意なエリア、戸建・マンション・土地など得意な種別があります。

多くの買取業者の情報を集めるようにしましょう。

不動産買取でできるだけ高く売る方法は?

不動産買取の場合、自分でリフォームはせず、現況のまま買取査定を依頼しましょう。かけたリフォーム代相当が買取額に反映されることがないためです。

不動産のプロ相手に買取額の交渉はハードルが高いこと、買取業者により査定額にぶれがあることから、なるべく多くの買取業者に査定依頼をし、有利な査定額を出してくれる業者に出会うことがポイントです。

不動産買取とリースバックのちがいは?

リースバックとは不動産を業者に売り現金を手にすることができ、買取後も家賃を払い、そのまま住み続けることができる仕組みです。

ぱっと聞くとよい方法に思えます。買取額は市場価格の6割程度で、不動産買取と類似する点もあります。

しかし、リースバックは、今の家に住み続けたいがローンの返済ができない、まとまった資金が必要な場合に検討する売却方法です。

リース料金(家賃)は相場より割高なうえ、定期借家契約で賃貸するパターンもあります。そうなれば長く住みたいと考えていても短期間しか住めず、引越しをせざるを得なくなります。

「安く買いたたかれたうえ、高額な家賃を払い住み続ける」「家賃が高く払いきれなくなった」「長期間住むつもりが短期間しか住めなかった」こんな被害が問題になっています。

特に老後資金に不安を抱える高齢者が、契約内容を把握できないままリースバック契約を交わしトラブルになっています。

リースバックは将来その不動産を買い戻したいという希望が前提にあるのであれば、検討する余地はあります。ただし、その場合にもメリットだけではなく、デメリットも理解して契約することが大切です。

現金が手に入るし、そのまま住めるからと安易にリースバック契約を交わさないよう注意が必要です。

まとめ

不動産買取での注意点を再度確認しましょう。

もともと市場価格より低い買取価格になる不動産買取です。なるべく高く売り、余計な費用がかからないように次の点に注意します。

  • 仲介手数料がかからないように、不動産買取業者に直接コンタクトをとりましょう。
  • 不動産引渡し後に補修費の請求や、値下げ要求をされないよう契約不適合責任が免責になるか必ず確認してください。
  • 買取価格交渉のハードルは高い。買取査定額には業者ごとにブレがあるため、なるべく多くの買取業者に査定依頼をし、交渉せずとも有利な査定額を出してくれる買取業者に出会うことが大切です。
    実家じまいにおすすめの不動産買取業者のランキングはこちらの記事です。
  • リフォームは行わない。払ったリフォーム代相当の買取額UPは期待できないのでかけた費用が無駄になってしまいます。リフォームは行わずに買取査定をしましょう。
  • 権利証・登記識別情報が見つからない場合、余計な費用が5~10万程度かかるため、必死に探してください。

不動産買取のメリットのひとつに「スピーディーな現金化」があります。スピーディーな現金化をするために次の点に注意します。

  • 住宅ローンを利用した不動産の場合は、残債額と買取査定額を比較し、ローンの完済ができるか確認します。場合によっては自己資金を足してローンを完済する必要があります。
  • 住宅ローンの利用がある場合は、銀行への事前の全額繰り上げ返済の連絡を早めにしましょう。忘れてしまうと引渡しができません。
  • 相続で引き継いだ不動産は、相続登記が終わっているか確認しておきましょう。
  • 必要書類は事前に集めておきます。

不動産買取は相続した古い実家を売却する方法としておすすめです。

空き家をそのまま放置してしまうと、建物が痛み資産価値がどんどん低下してしまいます。

遠方の実家の場合は、不定期に入る内見対応が現実的にむずかしいこともあるため不動産買取を前向きに検討してみてはいかがでしょう。

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